「気怠るくてカッコいい」ダンケルク 銀蠅さんの映画レビュー(感想・評価)
気怠るくてカッコいい
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戦争映画っていうと感傷的になったり説教っぽくなったりするものが多いけど、
この映画にはそういうメッセージ性は全くない。
もう、ただ気怠い。
ずっと、ずっと気怠い。
どん詰まりで、何やっても徒労で、希望が見えてもすぐ消えて、犠牲ばかりが増える。
その気怠さがリアルだと思った。
救出された後も気怠い。
本土に帰って歓迎されても、
「ただ生き残っただけだよ」
って。
最後、新聞に書かれたチャーチルの言葉を読み終わった後の若い兵士の、皮肉とも安堵とも呆れとも取れる、なんとも言えない表情が好き。
ダンケルク自体がタダでカッコいいような英雄話なので、このくらいのテンションで進むくらいがちょうど良い。
この英雄話をこんなに気怠いテンションで書き上げるのがにくい。
カッコいい。
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