「涙がとまらない」ダンケルク TRINITYさんの映画レビュー(感想・評価)
涙がとまらない
これは戦場から逃げ出す兵士達と、そして救い出す為に戦場に向かった人達のストーリー。
それ以上のものは何もないとてもとてもこの上ないシンプルなストーリーである。
ひねった展開も、激しいアクションもない。
自分の命をかえりみず、仲間の為に戦場に向かう人達、そして戦場から命からがら逃げ出す人達。
自分さえ助かれば良いと思う人、嘘をついてさえ生き延びようとする人、逃げずに他人を助けようとする人。
戦場での様々な人間の感情を淡々と、しかし迫力のある映像とともにえも言えぬ緊迫感をもって描かれていく。
戦艦に乗って逃げようとする人々をこれでもかと言うほどしつこく爆撃で邪魔をする敵機。
しかし敵の姿はほぼ出てこない。
海に潜んでいるだろうUボートすら映らない。かろうじて数機の敵機の飛行機のみである。
後半、民間人の少年が死んだあたりから涙が止まらなくなった。
必死に生きる為に逃げ惑う人々の翻弄される様が胸に押し迫り涙が止まらない。
社会に翻弄されながらも、必死に生きる人々の命の物語
レ・ミゼラブルを観た時と同じ大きな感銘を受けた気がする。
これはもうアカデミー賞に値する壮大な命のストーリーだと思う。
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