劇場公開日 2017年9月9日

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「生と死は紙一重!」ダンケルク 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0生と死は紙一重!

2017年9月27日
iPhoneアプリから投稿

遅ればせながら、IMAXで観た。彎曲した超特大画面と臨場感あふれる音声に酔いしれた。まぁ、ダンケルクの撤退作戦を描いている作品なので仕方ないが、戦争映画というより逃走映画だった。コリンズとファリアはスプリット・オブ・ファイアで戦っているし、ドーソン親子は民間人なのに、船を出した。桟橋、大空、海洋三箇所を時間をずらして描きながら、やはり基本は故国に帰ること。どうにかして、帰りの船に乗り込もうとしている。自分もトミーと一緒に逃げ惑っている気分になってくる。一瞬の間に夥しい死体が陸にも海にもあふれかえる。怖くてたまらない。卑怯者に見えるキリアン・マーフィーの気持ちもわからないでもない。『この世界の片隅に』が、庶民の戦争体験を追体験させる作品なら、これは兵士のそれを追体験させる映画と言えよう。英雄でも何でもない普通の人の戦争をCGを使わない圧倒的な映像で再現させたクリストファー・ノーラン監督に敬意を表したい。

瑞