「戦場で生き延びるということ」ダンケルク たまるるさんの映画レビュー(感想・評価)
戦場で生き延びるということ
実際に戦場で戦ったことはないので想像でしかないのだけれども、実に忠実でリアルなのではなかろうか?ダンケルクの戦いという史実を、あるところで切り取った断面を、ただ忠実に再現するという作風。おそらくイデオロギーや主観といったものをできるだけ排除して、また余分な脚色はしないというスタンスで、恋愛だとか伏線とか、あるいは英国(アメリカ)万歳的なものは無いので物足りなさを感じてしまう方も多いのではなかろうか。
戦争には、こと一人の若い兵士にとっては、戦う理由も、正義も、勝敗も何も無い。何をしてもただ生きて帰りたいだけ。それだけ。歓喜する国民と新聞を読み終えた主人公の、何とも言えない表情のギャップが作品をより深みのあるものとしているような気がする。
コメントする