「ヤバいかも。」ダンケルク mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
ヤバいかも。
IMAXにて観賞、なのだが、あのスクリーンの大きさでIMAXを標榜するのはいかがなものか。ただ音響効果は只事ではなかった。
クリストファー・ノーランの演出力が取り沙汰されていることが多いが、この人は生粋のストーリーテラーだと僕は思う。
監督作にはすべて脚本に参画していて、なにを物語るのかということを、いつも考えている。
本作もそのストーリーテラーぶりが発揮されている。
だが、それを戦争映画に持ち込んだのはどうだったのだろうか。
観た直後は、不思議な時系列をもつ脚本と効果絶大な音響とに幻惑されていたが、帰りの電車で9年前のキネマ旬報に載っていた「チェチェンへ アレクサンドラの旅」(アレクサンドル・ソクーロフ監督)の大場正明の作品評を読んでハッと目が覚めた。
「ダンケルク」には反戦の視点がないと、僕は感じた。
あの「スターシップ・トゥルーパーズ」(ポール・バーホーベン監督)でさえ反戦メッセージを受け取ったのに。
ダンケルクの戦いは、確かに史実なのだろうが、もっと違う切り口があったのではないか。
クリストファー・ノーランはヤバい作家かもしれない。
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