劇場公開日 2017年9月9日

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「ただただ生き残ろうとする」ダンケルク kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ただただ生き残ろうとする

2017年9月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

ドイツ軍に包囲されたダンケルクから脱出しようとするイギリス軍を描いた物語。史実に基づいてるからかストーリーは単純。どんなことをしても生き残ろうとする兵士たちと、救おうとする人たちが描かれる。
たしかに話に驚きや深みはない。ただ映像の迫力はさすが。これどんな撮影したんだろうと思うシーンがたくさんあって、目が離せない。
登場人物の描写も簡素。背景どころか名前さえもわからないまま話が進むという珍しいものだった。誰か特定の人物の物語ではなく、歴史的な事実を忠実に描こうとしたのかもしれない。
生き残った兵士たちを英雄的に描くわけではなく、エゴや縄張り意識といった汚い部分と、それでも捨てられないヒューマニズムを抱えていたリアルな人間として描いているところは好感が持てる。
そして生き残った人間と死んでしまった人間の差はわずかなものだということを徹底して表現していたのも印象的だ。
大絶賛する気持ちにはなれないが、確実に心に残った映画。

kenshuchu