「思ったほど緊迫感がない」ダンケルク kita-kituneさんの映画レビュー(感想・評価)
思ったほど緊迫感がない
本当の奇跡はヒトラーが前線部隊の行き脚を止めたことだと思うが…
初っ端はなかなか期待させるものであったが、特に空軍パートは退屈だった。ダラダラと長いわりに、先の読める展開。挙句に最後はファンタジー?
砂浜に脚出して着陸したら、もんどり打ってパイロット死亡だと思うのだが。低空でグライダー化したスピットに撃墜されるほどスツーカもトロくないと思えるし。
また、肝心の陸兵も説得力がないほど少人数。数を用意できないならカメラアングルに工夫が欲しい。
2回目を観るかは微妙なところだが観ても寝てしまいそう。
民間船も総動員した救出劇、とは言え、軍隊組織を脱出させるのには当然ながら軍の船も必要。実際、大部分は軍の艦船による脱出だったようだが、劇中の艦船はふがいないばかり。
それならそれで、民間船にスポットを当てればいいのに、そうでもない。はっきり言って、あのトロくさい坊ちゃんは犬死でしょう。なにがしかの意味を持たせたかったようだが・・・
魚雷攻撃を受ける駆逐艦、そもそも、あんな遠浅の海岸付近にUボートがいるのか?と言う疑問も。
全体的に浜辺付近でバチャバチャやっている雰囲気が大きく、ドイツ軍が迫ってくる緊迫感もなければ、海峡の向こうにイギリスがある風にも見えない。
題材はいいと思うが、作品としてはイマイチ。
海岸の描写は悪くないので、映像を見ながら実際のダンケルクを脳内補完して想像するネタとするのが良さそう。
主に陸海軍の話だと思うが、おまけ的な空戦シーンに予算使い過ぎ?
空軍推しなら、次回作はバトルオブブリテンで。