「実物主義!非映像的誇張」ダンケルク じょぉさんの映画レビュー(感想・評価)
実物主義!非映像的誇張
実物での撮影にとことんこだわった。
ほぼ、IMAXカメラで撮影され、ディテールにこだわった。
脚本では、架空の人物などを織り交ぜ、緊張感、戦争の悲劇、戦争の英雄など、感動要素を混ぜつつ、基本的には少ないセリフで淡々と進む。
トリッキーな部隊ごとの時間軸の長短の違いが少々混乱を招くも、中盤以降はクロスする時間が多いのでスッキリ。
そして映像である。
ドキュメンター的な、撮り方&編集。
とことんリアルにこだわる。
そこには、映画的、映像的な誇張がない。
その分、物足りなさを感じる。
アングルや構図でその恐怖を臨場感を増大させない、という選択。。
写ってれば恐怖を感じる、ということではない。
70年代以前の重くでかいカメラだった時代でも、もっと臨場感を出したカメラワークやアングルで頑張って撮っていた。
「戦闘メイン」ではなく「撤退メイン」=生きることを力強く描ける題材であり、そこにこそ狙いがあり志が高い作品。
既存の映画的文法を取っ払い、徹底的に淡々と見せる。
淡々と見せるのはいいが、映像が単調。
実物なのか、CGなのか、ミニチュアなのか、ではない。
味気ない。そこだけが残念だった。
別にマイケル・ベイしろと言ってるのではない。
そこまで迫力重視は求めてないけど、なんか随所で描写不足を感じた。
事実をアレンジしたストーリーの重みが作品を救っている。
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