「淡々と史実をなぞっただけ」ダンケルク トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)
淡々と史実をなぞっただけ
舞台は1940年の仏ベルギー国境近くの海岸。ドイツ軍に責め立てられた英軍、仏軍がドーバー海峡を渡って撤退した史実を描いた。
少年の面影のある青年英兵を主人公としているが、いくつかの視点で独軍の雨あられの砲弾から逃げ、とにかく生き延びようとする人たちの姿を描いているが、そのカメラが多すぎるのである。
話を絞っていないので、見る者の心にストンと落ちるものがないんだな、これが。
独英の空中戦あり、戦艦や病院船が沈む修羅場など一大スペクタクルで描かれてはいるが、登場人物それぞれの背景、ドラマチックな部分を描かないままなので感情移入ができないのである。
枢軸国である日本としては、独軍へのシンパシーもあり、英仏の腰抜け具合、大戦初期にはドイツがどれだけイケイケだったのかが分かったのは面白かったが…。
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