「『この世界の片隅に』との共通点」ダンケルク 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
『この世界の片隅に』との共通点
ハクソーリッジのような目を覆いたくなるほどの凄惨さは無い。
感涙ものの人間ドラマも無い。
戦略や知略の攻防を巡るドラマも無い。
多くの方がおっしゃるように『退屈』な映画だと思います。
なのに、精神の深いところを刺激された感覚が半端無い。うまく言えないけれど、どうしてもこのざわついた感情を解明したい、言葉にしたい、と思わせられましたが、この感覚は『この世界の片隅に』の時と同じもののような気がします。
戦争は一度始まってしまえば、局所的には、大義や理念や正義感など何の役にも立たず、生き延びることだけが目的になる。
それはすずさんの日常でも、爆音に怯える戦場でも基本的には同じことなのですね、きっと。
ただ生き延びることに必死になることしか、選択肢の無い人々に、とことん寄り添う姿勢こそが、『この世界の片隅に』との共通点なのだと思いました。
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