「名もなき者の話なき物語」ダンケルク showさんの映画レビュー(感想・評価)
名もなき者の話なき物語
なぜかヒットメーカーの代名詞となってしまったクリストファー・ノーランの新作を、試写会にてIMAX2Dで、鑑賞。
40代以上を中心に、当然ながら満員でしたが、クリストファー・ノーランの新作の割には、熱量は低めな印象。
もしかしたら、従来の映画ファン以外の客層が来ている可能性もあります。
戦争映画を観る時、いつも違和感を感じるのが、ストーリーの存在。
戦争の最中に美談のような起承転結をつけること自体に嫌悪感を抱くし、明確な敵を示して戦況に一喜一憂するのもナンセンスに感じる。
その点、この映画は特異な映画だ。
物語は消滅し、感動とは程遠い。
一体何が起こっているのか、どこの誰のなんの話しなのか。
観客は一切を提示されないまま、そこに投げ込まれ、傍観するしかない。
そこにあるのは、ただただ「戦争」。
終演後、とぼとぼと帰る観客たち。やはり熱量は高くない。
ただ無口に、劇場をあとにする。
手放しに「スッゲーいい映画観ちまったよお!!!」なんて、言えない映画なのだ。
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