劇場公開日 2017年9月9日

  • 予告編を見る

「映画体験ではない「映像体験」」ダンケルク りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)

2.0映画体験ではない「映像体験」

2017年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

第二次世界大戦初期、ナチス・ドイツが勢いのあった1940年。
フランス北部の町ダンケルクに、英仏兵40万が袋のネズミとなった。
逃げ道は、海のみ。
しかし、海からの救出路は、ドイツ空軍からは丸裸も同然・・・

という絶体絶命の状況からの史上最大の撤退作戦がどのようにしてなされたのか、それを、陸(海岸の防波堤に集結する英兵)、海(イギリスの民間船)、空(英国空軍)の視点から描いていきます。

ただし、時間軸が捻ってあり、陸上は1週間、海は1日、空は1時間の出来事。
それをカットバックでみせるので、観ている方としては、かなり頭を整理しながら観ていかないと、よくわからない。
さらに、描写が、陸海空それぞれの主役たちの視点で描かれているので(POVというわけではないが)、情況をさらにつかみづらいものにしている。

何故、このような手法を採ったのかはわからないが、観客を脱出・救出の当事者の気持ちにさせようということなのだろうが、なんだか映画ではなくロールプレイイングゲームをみせられているような気分になってしまう。
のべつ幕無しの不快感満載な音楽と効果音が爆音で鳴り続けるので、観ていて途中で気分が悪くなってきました。

史上かつてない「映像体験」が謳い文句。
それは確かだ。
だが、「映画体験」ではないような気がしました。

りゃんひさ