劇場公開日 2018年1月19日

  • 予告編を見る

「未曾有のツッコミが襲い来る…!」ジオストーム 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0未曾有のツッコミが襲い来る…!

2018年5月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

単純

興奮

地球の気象をコントロールする衛星が暴走。
世界中に未曾有の大災害が起こる…!
驚愕のディザスター・パニック・ムービー!

別の言い方をすれば…

今の時代によく作った!
90年代のディザスター・パニックが今頃やって来た!
呆然失笑のツッコミ・スペクタクル!

色んな意味で話題の本作。
予告編の時点で、こ、これは…と地雷臭がしたが、それはまさしくドンピシャ!
中身ナシ!
リアリティー無し!
あるのは、満載のツッコミ所と、とんでもねぇー!ありえねぇー!のVFXディザスター描写のみ。
ここまでやれば寧ろ、潔く天晴れ!
さすが監督はエメさんの相方!

とは言っても、見所はやはりそのディザスター描写の数々。
アフガニスタンの砂漠(と人)が凍り、
香港ではアスファルトで目玉焼きを調理した後マグマが噴出し、高層ビルがドミノ倒し、
東京にはバカデッカイ雹が降り注ぎ(東京、瞬殺!)、
リオデジャネイロでは大寒波でビーチも人も一瞬にして凍りつき、
インドに無数の巨大竜巻が発生し、
モスクワを雪が溶けるほどの熱波が襲い、
ドバイをメガ津波が襲う…!
そして、地球規模の同時多発大災害“ジオストーム”まで後90分…!
ハラハラドキドキ!ノンストップ!
出し惜しみナシ! これでもか!というくらいのド級のディザスター描写の連続。
何だかんだ言って、これらディザスター描写にはワクワク興奮させられた。

残念なのは、ドラマ部分。
確執ある家族、政府の陰謀などステレオタイプ。
衛星の暴走は故障か、故意か…?
陰謀者の正体なんて顔に出てるくらいすぐ分かる。
確執あった兄弟の絆、再び…は、ドラマの軸で一見熱いが、驚くほど薄っぺらく、クッサイ。
お決まりのように、父(兄の方)の帰りを待つ娘。
これまでのディザスター物のイイ処取り悪い処取りなのか分からないけど、こういうの何回観たよ!?

聞けば本作のアイデアは、デヴリンの娘の一言だとか。
…いや、その娘の一言は「気候をコントロールするマシンは作れないの?」というディザスター描写の方のアイデアなので、ドラマ部分のヘッポコさはデヴリンに才が…。

ジェラルド・バトラー、エド・ハリス、アンディ・ガルシアら一流スターたちもどんな思いで真面目に演じてたんだろう…?(ちょいと気の毒)
ツッコミ所は挙げたらキリ無いので、一点だけ。
世界を襲った自然大災害に対処する為に、世界中が手を取り合って開発した気象コントロール衛星。
人は、自然をも操れるという思い上がり。傲慢。(ハリウッド版ゴジラでのある台詞を思い出した)
その暴走は、結局は人のあさましさ。
こんな奴らが政府に居て、衛星をコントロールしている。
ツッコミと言うより、説教臭い押し付けがましいメッセージに、辟易。
えっへん、良い事いった…と、ふんぞり返るデヴリンの顔がちらつく。
だから、何なんだよ!?

…まあ、頭空っぽにして見るにはそれなりに楽しめる。
たまにはこういうの、見たくなるんだよね~。

にしても、この“ダッチボーイ”という衛星の名前が…。
どうしても“ダッチワ…”…おっと、これ以上は!(>_<)

近大