「生き抜いたということ。」世界一キライなあなたに ちゃーはんさんの映画レビュー(感想・評価)
生き抜いたということ。
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生きることは大切。生きることの大切さを伝えることは大切。
生きることに対しての、この映画のアプローチは、人々が期待していたものとは少し違う。
生に対する死ではない。
生きることを辞めたのではなく、生き抜いたということ。
ウィルの気持ちとしては、こんな自分と付き合うことで彼女を幸せにしてあげられるのだろうか。とか、障害を持ってしまったことで、自分ではなくなった。とか。
大切なのは、ウィルは、自分で決めたことを貫き通したということ。自分の幸せを1番に考えて、決断したということ。そしてそれが、彼女にいつか訪れる幸せの遠因になるということ。
この物語は愛の物語だ。
彼女がしたことは、ただ死を待つだけの人間を大きく変えたということだ。結果が「死」ということは変わらなかった。しかし、大きく変わったことがある。「死」まで道のりだ。ここで、結果主義だのプロセス重視だのいうつもりはない。
愛によって大きく変わったものがある。
彼の人生は美しく終わっていったのだ。この世に、ただただ絶望して死ぬ、のではなく、1人の女性に愛されながら、そして、1人の女性を愛しながら死ぬことができたのだ。
その意味で、本質的な、愛のかたちをこの映画は教えてくれた。
彼女の気持ちを考えれば、そりゃつらい、ものすごくつらい。哀しいなんて言葉では表せられないほどに。
ただ、1人の男の気持ちを変え、幸せにした事実は変わらない。
きっと、彼女は、誰よりも幸せな人生を歩んでいることだろう。彼との出逢いと別れが、彼女の人生を豊かにしたのだ。
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