「人に寄り添うという事」世界一キライなあなたに うさまるさんの映画レビュー(感想・評価)
人に寄り添うという事
素敵でした。
1つを除いては…
まず良い点は、
資格も経験もない女の子が
事故で麻痺になった他人の彼を介護するお話。
おトイレやお風呂などの介護はしていなかったけれど
介護とは、人の気持ちに寄り添うことからが
本当に第一歩なんだと思いました。
初対面のウィルはとても無愛想で嫌味っぽいです。
でも、自分のプライベートゾーンに
赤の他人の手助けを必要とする生活を送らなければならなくなった時、
誰しもそんな気持ちになるのではないかと。
健全者であった過去があるから尚更、
嫌味っぽくなってしまうウィルの気持ちがよく分かりました。
生死に関わるお仕事で、
悲しいこともあるけれど、人の気持ちに寄り添い、
全力でその人のために尽くして考える
そして、その事を全力で楽しむ。
ルーのそんな姿勢が、本当に素敵だと思いました。
初対面で悪態をとられても、めげずに
毎日明るく楽しい服装で
まるでお友達に会うように来ていたのが
ウィルの気持ちに近づけた理由なのかな。
「悲しい」「かわいそう」
これで終わらないのがこの映画の素敵なところだと感じました。
旅行先の海辺で、ウィルがルーに自分が命を絶とうとしていると伝えようとするシーンが印象的で
その時のルーが
「本当に自分勝手ね、あなたがそうなるのを見ていろなんて」
みたいなことを言うセリフの部分はなかなか重くて好きです。
生きる、死ぬ、というのは自分のことだけではない。
死ぬというのは周りの人にも大きな負担があるということ
自分が生きていることで、気がつかない喜びを感じている人が1人でもいること、
うまく言えませんが、本当に深いと思いました。
命に関わるお仕事をしてらっしゃる方は
この映画を観たら大変共感され、感動されると思います。
満点じゃないのは、
キャストがイケメンと美女だから…
映画にするなら仕方なかったかもしれないけど、
全てがあんなにうまく綺麗なわけではないという事です。
でも、自ら命を絶つことに
賛否両論あるのかなと思いましたが
それを否定するのは健常者の考え方であり
辛い治療や気持ちは、想像を超えますきっと。
それを無理やり生きろというのも残酷なのかなと
考えさせられるお話でした。
わたしは素敵だと思いました。