劇場公開日 2016年9月24日

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「事故のその後と真実」ハドソン川の奇跡 セロファンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0事故のその後と真実

2021年8月7日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

奇跡の生還ドラマかと思っていたのですがそれだけでは無く、そこから始まる疑惑と追い詰められながらも冷静に真実を見極めていこうとする機長の人間ドラマに惹きつけられました。
英雄と讃えられながらも、国家運輸安全委員会の指摘により狂い始める機長の運命。40年にも及ぶキャリアも崩れ去ろうとしていく。家庭だけでなく、仕事に対する自信や誇りまでもが揺らいでいく様子に胸が締め付けられそうでした。

コンピューターによるシミュレーション結果では空港への帰還は可能だったとか、エンジンは動いていたとか、不利な結果を突きつけられる。精神的に追い詰められながらも最後まで諦めなかった機長。公聴会での冷静な指摘、お見事でした。と、同時に事故のデータ分析で、“人的要因”という重要な要素を見落としたまま調査していたという事実も驚きでした。エンジンの方も、後で現物を確認したら破損していました。コンピューターに頼り過ぎた誤った調査により、誰かの人生が狂わされていたのかもしれないと思うとゾッとします。

英雄から一転、容疑者へ。簡単に人生を狂わされていく様子に悔しい思いもしましたが、追い詰められた時、自分を守れるのはやはり自分だけなのだなと思いました。揺らぐ思いの中、自分を見失わず最後まで闘い続けた機長の姿に勇気づけられました。

セロファン