「ティム節が満載で、やりたい放題!」ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)
ティム節が満載で、やりたい放題!
ティム・バートン監督の信者です(笑)
イマジネーション溢れる世界観と、
綿密なアートディレクション。
皮肉の中にも、ピュアな気持ちや
優しさや個性の尊重などが、
散りばめられてる。
こんな監督、他に思い当たらない。
最新作は、全米ベストセラーファンタジー、
「ハヤブサが守る家」の映画化。
今回はダーク系お約束のジョニーがいないけど、
ティムにぴったりの素材がどう料理されるか、
期待も膨らむ。
イメージができてない原作だから、
自由度も高そうだしね。
予告で見ると「チャーリー~」みたいな
コミカルな部分を推してるけど、
シザーハンズ、ナイトメア、ダークシャドウ系ですね。
久々のダーク&シュール路線復活だよ。
まずミス・ペレグリンと
一緒に暮らす養護院の子ども達の、
キャラクターが楽しい。
人と違ったことで孤立した少年時代を過ごした、
ティム監督が重んじる「異端児の個性』。
彼の真骨頂ですね。
「ヒューゴの不思議な発明」で
目が印象的だった少年エイサ・バターが、
主人公を熱演してる。
存在感もあるし、これからが楽しみ。
ミス・ペレグリン役にはダークシャドウの
エバ・グリーン。
カジノロワイヤルや
シンシティもそうだったけど、
影のある演技はうまいなぁ。
悪役のサミュエル・L・ジャクソンは、
すっかり愉しんでる!
前半は設定をじっくり説明して
伏線もたくさんあるので、
ティム好きには楽しい時間だけど、
アリスのようなテンポを求めてると、
ちょっと辛いかも。
今作はティム節が満載のやりたい放題で、
すっかり解放されてるカンジ。
2時間超えだけど、
もっと尺が欲しかったんだろうなぁ。
だからなのか、
終盤は尻すぼみでドタバタ散らかってるなぁ。
けど好きな監督が跳ねてるだけで、
僕にはとびきり嬉しい時間だったのです(笑)