「【”スターになって、この悲惨な世界を変える!”パレスチナ・ガザ地区で育ったムハンマド少年が亡き姉との約束を遂げポップスターになる過程を描く。今作に出演している方々の現況下での無事を祈りたくなる作品。】」歌声にのった少年 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”スターになって、この悲惨な世界を変える!”パレスチナ・ガザ地区で育ったムハンマド少年が亡き姉との約束を遂げポップスターになる過程を描く。今作に出演している方々の現況下での無事を祈りたくなる作品。】
ー ガザ地区出身のポップスター、ムハンマド・アッサーフの実話を映画化したヒューマンドラマー
■パレスチナ・ガザ地区。
紛争の絶えないこの地区で、ムハンマド少年はスター歌手になって世界を変えることを夢見ていた。
そしてガラクタで作った楽器を手に、姉・ヌールたちとバンド活動を行う。
が、ヌールは重い腎臓病に侵されてしまい、幼くして命を失う。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・パレスチナ・ガザ地区。ご存じの通り、イスラエルの入植後”パレスチナ自治区”であったこの地では紛争が止まない。
今作でも、両足の無い人、片足を失った人たちが映されている。
・2005年、ムハンマド少年は姉ヌールたちと”スターになって世界を変える”という目標の元、音楽を始める。
ムハンマド少年は、天性の美声の持ち主だったが、姉の死により夢は亡くなったかに見えたが。
・2012年。青年になったムハンマドはタクシー運転手をしながら、大学へ行こうとしていた。そんな中、「パレスティナ・スター」という大会を勝ち抜いたムハンマドは、エジプトで行われる「アラブ・アイドル」に出場しようとする。
検問所では、その美声により通る事を許され、チケットがない状態の中、彼の美声を聞いたチケットを持った青年からチケットを譲られる。
・だが、ガザの人達の想いを知るムハンマドは、勝ち登って行く中でプレッシャーによりパニック発作を起こしてしまう。
その時に、飾ってあった姉ヌールの写真が、彼に勇気を与えるのである。
<余りにも、出来過ぎたスター誕生のように物語は進むが、最後半、実際にムハンマド・アッサーフが「アラブ・アイドル」で優勝した時の映像が流れ、その報を聞いたガザの人達の熱狂的に喜ぶ姿を見ると、素直に感動してしまうのである。
今作は、出演している方々の現況下での無事を祈りたくなる作品でもある。>