孤独のススメのレビュー・感想・評価
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結婚しよう
3人の男性達の本当の気持ちを推しはかる事が出来ず、最後に?が最大になった。主人公も孤独が好きという理由でも無さそうで、それなら自分の方がよっぽどと思ったのだが。宗教的な部分から困っている人を助けよう精神、宗教の教えで同性愛や性不一致の人に偏見を持っている様に見せなければならないとか、現代の規範からすると随分と古い宗教観に囚われている生活。しかし、今でも根っこにはまだまだあるし、それを公言して差別を助長する首長もいたりするからねぇ、一概に昔は今はとか言えないのだけれど。
主人公の身元不明者との生活も不可解であったが、スーパーで会っただけで子供の誕生日会の出し物として呼ぶなんてとても親なら出来ないのですが、その上何処が楽しいのかどちらかというと子供のトラウマになりそうな代物で。
隣人は主人公の妻や身元不明者と仲良く仲良くなりたいのではなく、主人公と仲良くなりたかったんだなぁと
余白がすごい
わかりやすい展開があるわけでもなく、明確な説明があるわけでもない。
ただ、淡々と2人の男性の謎の生活が進んでいく。
「これはどういうことなのか?」ということを想像する必要があり、かなり視聴者を信頼している作品のように感じた。
すごい変な映画
オランダの癒し系LGBTQ作品
この作品で見る限り、2001年に世界で初めて同性婚が認められた国オランダでも、キリスト教(プロテスタント)の色濃い田舎町ではまだまだLGBTQへの偏見が強いようだ。
人は孤独を体験して初めて、気の合う誰か(性別関係なく)と暮らす幸せが身に沁みるものなのだろう。
他の男性の元に行く夫を快く送り出し、これからも見守り続けると言う元妻がステキで、初めはこの女性と主人公の間に新しい恋が始まるのかと思った。笑
寓話のリアリティ
コメディと言えばコメディ
面白味のないフレッドが、妙な男テオとの共同生活を経て色々見つめ直して変化が起こる話。
何か似たような作品を散々見たような気もするけど、それが何だった思い出せない。
この作品もきっとそんな作品の1つになりそうな予感。
現代で正しいと言われている価値観が正解で、主人公の元々の価値観は古くて間違っているという前提があって、その内容についてはまるで精査も演出もされないまま、単に孤独や疎遠の解決こそが至上命題であるという”生き方”を問う物語としてはかなり軽いノリで話がこなされていく。
この軽さこそがコメディだと言われると、そうかも…となる感じ。
「This is my life」と歌うシーンは演者の迫力があって好きなんだけど、歌っている人物についての下地がほぼ無い状態なので勿体なさを感じる。
同性愛的な演出があるものの、じゃぁ2人の関係性が実際そうなのかと言うと多分そんなことないんじゃないの?と思う。
よく分からないテオという男と一緒にいるための名目が主人公には必要で、堅物の彼にとってはその名目を設ける手段がそれしか思い付かなかったというちょっとした笑いなのかな?と思った。
テオとフレッドが一緒にいて、居心地がいいのが伝わってきて心がほっこりした😊
愛を謳った素敵な小品
アマプラでレコメンドされて鑑賞しました。
北欧の映画ということでカウリスマキ風かな?と期待して。
結果、そうでもあり、そうでもなし。
キャラクターの造形はカウリスマキ風にヘンテコなところもありますが
ストーリーはストレートで分かり易いです。
登場人物の殆どは初老の人々。
タイトルと冒頭からの想像した内容を嬉しく裏切って
ストーリーの進行につれて彼らのこれまでの人生の広がりが次々と明かされてゆきます。
食事のメニュー、買い物風景、小さな町と町をつないで市民の足となっている路線バス、お酒の飲み方…主人公フレッドの日常ルーティンの全てが
よく知られている欧米文化とちょっとズレていてオランダらしい異国情緒を感じさせます。
受け入れることができれば、愛は至る所に在る。
そんなメッセージを受け取った気がしました。
タイトルなし(ネタバレ)
コーカソイドのラテン系とゲルマン系を分ける国、オランダ。キリスト教として見た時、ベルギーはカトリックでオランダはカルヴァン派の国。
そのオランダ(フランドル)に於いて羊は正に「!」。
ヤン・ファン・エイクの『ヘントの祭壇画』を思い出した。
ヘントはベルギーだが、ブランドル。
現在は
似ていて、正に『否なる国たち』なんだろうね。
価値観を壊す勇気
孤独からの脱却のススメ
孤独の「ススメ」では、断じてない。
(「孤独のグルメ」に便乗しようとしてこの邦題つけた?)
むしろ、孤独からの「脱却のススメ」
あるいは、
小さな田舎町の、そしてカルヴァン派の、さらには性格による、
厳格なしきたりに縛られた、もしくは自分で自分を縛る暮らしの、見直しのススメ。
痩せててひげ面で、言葉も知能もあやしく、
でもヤギとか小さな子供とかとすぐに仲よくなる男テオ(ロネ・ファント・ホフ)の登場が、そのきっかけ。
――このテオが、ナザレのイエス(キリスト)に見えてしょうがなかった。
いろいろあった人たちが、
ええ~っ! そうくる?!
という形で救われる清々しい物語。
上手い。
舞台となったオランダの田園風景が美しく、
(原題の)マッターホルンも絶景。
ザワッっと最後持ってかれる
タイトルの意味がわかった。
一人になるって大事なこと。否が応でも自分自身と向き合わなくちゃならない。過去の自分、今の自分、これからの自分。アドラーじゃないけどこれは勇気の問題かと。フレッドはテオのおかげで息子に対する偏見、信仰、愛、他者との関係性など一つずつ見つめ直していきます。決して歯を食いしばって、ではなくテオとの不思議な生活から自然と気づきが訪れるのがいい。やっぱり人って独りじゃ気づけないんよねー。でもひとりぼっちがあったから二人でいることの有難みもわかるんよね。いやー秀作、良かったです。
【”これが、私の人生。”今作は、妻と子を失い、単調な生活を送っていた孤独な男が、事故により記憶を失い徘徊する男と出会った事で、周囲の目を気にせずに、生きる意味を思い出していく物語である。】
■オランダの田舎町。
妻トゥールディを車の事故で亡くし、息子ヨハンとは音信不通のフレッド(トン・カス)。
何の変化も面白みのない彼の生活に、全く話さない奇妙な男がやって来てフレッドは彼を自宅に住まわせる。
◆感想<Caution!>
・不思議な映画であるが、独特な魅了に溢れている。
・フレッドの所にふらりとやって来た、何も話さない男。フレッドは、男と暮らすうちにそれまで飲まなかった酒を飲んだり、二人で頼まれて子供の誕生日パーティで、余興を行いチップを貰う。
それまでの、無表情なフレッドの表情が少し嬉しそうである。
・男の身元が分かるシーン。彼の名はテオ・ハウスマン(ルネ・ファント・ホフ)と言い、奥さんも居る。
奥さんと話すと、彼は車の事故に遭い、徘徊するようになってしまったとの事。そして、どの施設に入れても居なくなってしまう事も。
・だが、テオはフレッドの家に戻って来る。
そんなテオを見て、フレッドはテオの奥さんと、音信不通の息子ヨハンが歌手として歌うバーに行き、息子の歌声を聞くのである。
8歳の時にバッハの曲をボーイソプラノで歌っていた声と、変わらない声で”これが、私の人生。”と謳いあげる姿。
<そして、フレッドはテオと共に、亡き妻にプロポーズをしたマッターホルンに出掛けるのである。
そして、二人は周りの目を気にすることなく結婚し、一緒に暮らし始めるのである。
今作は、孤独だった男が、事故により記憶を亡くした男と暮らし始めた事で、周りの目を気にせずに、生きたいように生きる喜びを、再び見つける物語なのである。>
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