「日本の戦隊ものとは別物」パワーレンジャー Chronoさんの映画レビュー(感想・評価)
日本の戦隊ものとは別物
世界中で人気(らしい)戦隊もののアメリカ版。字幕版で観てきた。
はっきり言って、全然楽しめなかった。
まず、日本版と違って、青春色全開。落ちこぼれ学生5人が不自然な感じで知り合い、パワーレンジャーになる。戦隊ものでそんなに長々とした学生の青春物語なんか求めていない。別の映画でやるべき。
色の付いた透明な石(なぜかコインと呼称)がパワーレンジャーの証らしいが、別に変身に必要なわけではなく、初期にちょっと出てきただけで中盤以降全く出てこなかった。それが何なのか意味が分からなかった。
一人を除いて変身するまで映画の約8割が進むまで待たなくてはいけない。設定はジュウレンジャーを引用。緑が敵になるが、見た目・設定共に完全にアヴェンジャーズ(マイティ・ソー)のロキの女版である。
ゾイド(メカ)を頑張って考えたらしいけれども、結局ジュウレンジャーのメカである。劇中ではティラノ・プテラとそれ以外3体という感じで非常に違いが分かりにくかった。そして、合体。設定としてそれぞれのメカには合体機能は想定されていなかった。よく分からなかったけど、5体一緒に炎の穴に落ちたらガチャンガチャンいって合体してしまう。見た目は合体ロボっぽくなく、忍者っぽい。合体ロボにかっこいい剣が出てきたりしない。クナイっぽい長さの短剣が2本出てくる。ビームとか全く出てこず、まさかプロレスの大技、ジャーマンスープレックスで締めるとは思わなかった。さすが肉弾戦大好きアメリカ。ちなみに、パシフィック・リムばりの肉弾戦を想定してはいけない。たぶん5分くらいで終わる。
子供向けなんだろうが、小学生未満には見せたくない気持ち悪い表現とか多く、ターゲットとしては小学生オンリーだろうな、という感じ。戦隊ものを見て育った大人が期待して観に行くとガッカリして帰ってくるであろう作品だった。