「ダメ、ダメ、パワーレンジャ~♪」パワーレンジャー いも男爵さんの映画レビュー(感想・評価)
ダメ、ダメ、パワーレンジャ~♪
あのハリウッドが戦隊を映画化するということで、公開まで待ちきれず前夜祭にて見てきました。
ひで~映画でした。
まず、主役であるレッドですが、冒頭にて牛の盗難というよく分からない事件を起こして落第しかけますが、なんで事件をしたのか最後まで説明無し。
ブルーは、鉱山への不法侵入を繰り返し、平気で爆破を行う犯罪者。
ブラックは、病気の母親と向き合いたくない為に変なテンションでブラつくぷ~太郎。
イエローは周囲との折り合いが付かず、こちらもぷ~太郎。
ピンクは、友達のヤバい写真を彼氏に暴露した上に歯をへし折るサイコパス傾向有りというメンバー全員がまともじゃない酷い集団に仕上がっていて、正直感情移入できませんでした。
落ちこぼれが這い上がってヒーローになるということを描きたかったのでしょうが、一人くらい普通の人生送っているまともなキャラが居ても良かったと思います。
ストーリー展開に関しては、本来であれば変身アイテムになるであろうコインが後半まったく出てこなかったり、鉱山から逃げる際に車が電車と衝突して死んだと思われていたのに何故か生きていたことへの説明が無いなど、全体を通して雑な感じでした。
一番問題視されている変身までの過程ですが、ほんと変身しないです。この手の映画はなかなか変身しないのがハリウッド映画の定番なので、せいぜい30分かなと思っていたら、一時間半以上かかっていました。子供なら寝ているか「つまんな~い」って言うレベルですよ。
それでやっとこさ、変身してちょっと戦ったら戦況がまずいということで、あっさり乗り物であるゾート戦に移行、スーツでの戦闘シーンは多分正味五分もありません。そんなだったら変身しないで初めからゾートで戦えよと言いたくなりました。
そのゾートの描写もかなり雑でして、紹介は簡単でほら穴に佇んでいるだけ、搭乗シーンも短く出撃シーンも無し、挙句メガゾートへの合体は説明も無くあっさりかつ変形プロセスも省くという有様でした。変身にはやたら理屈をこねていたくせに、乗り物への描写が雑な辺り、この作品のスタッフは戦隊におけるメカ&ロボの重要性をてんで理解していないのでしょう。
アメリカではとっくに公開されているのに全然話題になっていないと思ったら、この出来ではしょうがないですね。制作および配給会社もこんな駄作をどうして公開しよう思ったのか甚だ疑問です。
今年は日本発祥で同じく酷評を買った『ゴースト・イン・ザ・シェル』以上のものを見るとは思いませんでした。同じようにアメリカでは微妙でも日本のアニメ&特撮ファンを唸らせた『パシフィック・リム』のギレルモ・デルトロ監督の偉大さを改めて痛感しました。
この後、『ザ・マミー』『トランスフォーマー』と不安のある作品を見る予定ですが、本作以上にならないことを願います。
The Mummyを見る予定とのことですが、パワーレンジャーが0.5なら見ない方が良いと思います。見どころは全て予告編に詰まってますし、それ以外を見ると後悔すると思いますよ。