劇場公開日 2017年7月15日

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「ハナタレ少年たちのロマンが、今、燃え上がる!」パワーレンジャー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ハナタレ少年たちのロマンが、今、燃え上がる!

2017年7月18日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

興奮

スーパー戦隊モノを見なくなって久しい。
幼き頃は見ていた。何レンジャーか忘れたけど、おもちゃも持ってたし、ヒーロー図鑑も持っていた。
その時分、まさかハリウッドの大スケール大予算映画になろうとは、夢どころか思いもしなかった。
そんなハナタレ少年たちのロマンが、くすぐられる!

話はB級。前半は退屈な青春学園風。「スパイダーマン」とか「クロニクル」とか、青春要素あるSFの寄せ集め。
でも、この手のジャンルに斬新さとか新鮮さは無くてもいい。これでいい、このちょうど良さが。
それぞれ悩みや疎外感を持った5人のティーンエイジャー。
何故、自分たちが選ばれたのか。
幾ら訓練しても変身出来ない。
衝突、葛藤。
自分たちはやはり落ちこぼれ…なんかじゃない!
運命に導かれ、選ばれたのは他でもない、自分たちなのだ。
次第に育まれる友情、絆、チームワーク。そして、遂に…!
B級ではない。胸躍る王道!

変身したら、もうこっちのもん!
童心刺激されまくり!
天地を駆ける恐竜型ロボには感動。
勿論敵も巨大な怪物。
絶対絶命の時、5体のロボが合体、巨大ロボに!
このスーパー戦隊モノの最大必要不可欠展開に今度は感激。
アメコミ・ヒーロー物や、「トランスフォーマー」「パシフィック・リム」「G.I.ジョー」好きは皆集まれ~!
何やら変身が遅いとかバトルが最後だけとか言われてるようだけど、スーパー戦隊やヒーロー物はいつだってそうでしょ。ウルトラマンや仮面ライダーも然り。
焦らして焦らして焦らして、最高のお楽しみは最後に。
採掘場や白昼の街中でのバトルとか、お約束シーンもちゃんとあって嬉しい限り。

お約束と言えば、スーパー戦隊モノはイケメンや美少女の登竜門。
レッドことデイカー・モンゴメリーは甘いマスクのマッチョで注目を集めそう。
5人の内、ピンクとイエロー、二人が女性なのは現代的。絵面的に楽しませて貰ったが、セクシーシーンもあったら尚良かったが…。
ブラックにアジア人を配してるのもグローバルな現代的だが、オマージュで日本人でも…。
キャラで一番気に入ったのは、ブルー。リーダーはレッドだけど、皆を繋げたのはブルーだ!
敵にエリザベス・バンクス。ノリノリな怪演は一見の価値アリ。(吹替で見たけど、吹替の沢城みゆきの声もさすがの貫禄!)
それから、アンドロイドのアルファ5はナイスキャラ。

確かに傑作とは呼び難い。
ストーリーにも設定にも、詰めが甘く、粗やツッコミ所だらけ。
せっかく変身したのに、個々のバトルが少ないのは残念。
ラスト、バトルに夢中になって一般人を守ろうとするシーンが描かれないのはヒーロー物としては如何なものか。アベンジャーズを見習って!
満を持しての映画化だったが、アメリカでは後一歩の成績。
海外では、中国で不発だった事からシリーズ化は中止に。
ラジー賞にもノミネートされそう。
だけど、本作の本当の面白さが分かるのは日本だけだと思っている。初登場9位がなんぼのもんじゃい!
「GODZILLA」もだけど、日本の特撮物をハリウッドが今頃になって相次いで映画化。
それは、色褪せない魅力があるから。
いや、アメリカだってそうだ。「パワーレンジャー」がアメリカのお茶の間でも24年続く証。
日本伝統の宝よ、ハナタレ少年たちのロマンよ、いつまでもワクワクさせてくれ!

にしてもホント、シリーズ化は無いのかなぁ…。
だったら、次のハリウッド映画化特撮ヒーローは?
ウルトラマンかなぁ? 仮面ライダーかなぁ?

近大