「友情戦隊とでも名付けたいな…」パワーレンジャー サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
友情戦隊とでも名付けたいな…
満を持しての登場、日本の戦隊ヒーローを逆輸入したパワーレンジャー。前半はレンジャーに選ばれたティーンたちの抱える問題や仲良くなる過程をたっぷりじっくり描く。ちょっと古いがファイブマンの「青春炸裂ファイヤー」やターボレンジャーの「若さ全開」を地で行く構成には拍手を送りたい。各々5人がお互いを全く知らないことに自覚的で、だからこそ友情を深めたいという心に胸打たれる。サンバルカンやオーレンジャーのような真面目な職業ヒーローにはありえない、青春の葛藤がそこにあった。
そして後半はお待ちかねの戦闘。ゴーカイジャーやシンケンジャーまではいかないが、それぞれの戦う姿にはまぎれもない個性が見られた。ただひとつ文句を言うならば、リタに対して5人がまとまって戦うシーンがもっとほしかった。戦隊特有の連携しながら少しずつ相手を追いつめていくシーンが。ハリウッドのヒーローは基本的に連携しないと聞いてはいたが、それほど難しかったか…。
巨大ロボ戦には文句なし。どちらかというとウルトラマンよりだったけど。メガゾードは「どうやって合体したらこんな形になるんだよ!」と言いたくなるようなスタイルだったが、まあ、あれが宇宙人の標準的な合体ロボなんだろう。かっこいいし、迫力もあるしいい巨大戦だった。
感想を総括すると、爽快で楽しくなる映画だった。自分がスーパーヒーローの力を手に入れたらどうするか?わくわくする。仲間を勝手に決められて一緒に戦うよう命令されたらどうするか?衝突して仲直りして友情を深め合うだろう。
そんな子供が共感し、憧れる等身大のヒーローを描いてくれたパワーレンジャー。戦隊シリーズの精神が受け継がれ、世界に広まっていることに喜びを禁じ得ない。