「酷いと思う。でもなんかオモロい」ジョン・ウィック チャプター2 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
酷いと思う。でもなんかオモロい
都合よく銃を使ったり使わなかったり、映像美を追求していると感じたり感じなかったり、独特な演出や設定を感じる一方であらゆる映画のパクリ的なものを感じたり、同時にそれはリスペクトだと感じたり、前作よりも盛りだくさんで頑張りを感じるけれど、それが余計にも感じるし深くも感じるし、前作にあった単純明快さは損なわれているけれど、楽しみどころは増えているようにも感じるし、一言で面白いとかつまらないと片付けられない作品だと思った。
ただ、個人的に最も強く感じたのは、酷い作品だなということ。でも、その酷いと感じるところ含めて、何だか非常に面白いと感じてしまう作品。
カーアクションや人混みの殺し合いなどかなり面白かったけれど、裏社会の設定を描いた部分には途轍もない眠気を催した。ガンフーにはそれなりに見所を感じたけれど、前作ほどのインパクトも感じず、後半に至っては有名スパイ映画や近未来映画の焼き写しのオンパレード(個人的には嫌いじゃないけれど…)、ついにはもはやモーフィアスにしか見えない演出と有名香港映画のラストを真似たクライマックスなど、微妙だなぁこの映画、ずっとそう思いながら見続けて終幕。
見た目まったくキレがありそうに見えないキアヌが無敵であることがこの作品の魅力。頑張っているキアヌの姿を見るだけで価値があると思う。前作はとことんキアヌのアクションに焦点を当てていたように思う。それが気に入っていたのに、今回はそれ以外にも頑張って深い作品にしようとしていて、それが非常に邪魔でまどろっこしく、アクション映画らしい爽快さにやや欠ける。より良いものをつくろうとした結果だということは非常によく伝わってくるけれど、それが成功しているとは思えない。