「破壊と再生」雨の日は会えない、晴れた日は君を想う ぱんだまるさんの映画レビュー(感想・評価)
破壊と再生
劇中でも似たような表現をされていたが、今作のテーマを乱暴にひとことで表すと「破壊と再生」であると思う。より正確をきすならば「破壊と気づきと再生」になるだろうか。
妻の死を悲しめない自分に疑問を感じたことをきっかけに、今までの「ライフスタイル」を文字通り含め「壊して」いく主人公。そのなかで、義理の父や、ある
件がきっかけで知り合ったシングルマザーとその息子らとの関わりを通じて、自身と向き合い、愛していないと思っていた死んだ妻への愛に気づき、そして改めて自身の人生を歩み出すという話。
よくある話の骨格ではある。ただ、各俳優陣の演技と要所要所のイベント、見せ方の上手さに集中がとぎれることなく最後までみられた。大変心に響く作品であったのだが、一点。
妻への愛。それはもともとあったものを忘れていた・おろそかにしていた→それに気づいた・思い出した、という流れで理解したのだが、疑問として、それってほんとうにもともとあったものだったのだろうか。主人公がいろいろやっていくなかで、デカルトの「我思う」じゃないけれど、壊しても壊しても、壊れないで最後に残っていたものが妻への想いでした、というよりは彼が劇中いろいろやっていくなかで「本来はこうあるべき」という常識というか妄想に従って作り上げてしまったものなんじゃないだろうか。そうだとするとそれは妻への愛とかそんなものではないわけで……。うーん(´・ω・`)
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