アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のレビュー・感想・評価
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最後は政治判断しかない
凄さまじい作品!!
伏線も背景描写も無く、ただただ単一の軍事オペレーションを100分間でひたすら描いている、この約100分が徹頭徹尾 緊迫の連続で兎に角重く、 でも目を離せない
コブラ中枢の激しい議論が為されるけど、
皆、各々の立場でポジショントークに徹していて結論を導けない、
けど 最後は やはり 政治判断しかない、だってこれは戦争だから
人道派のように映るアンジェラも、
責任回避しつつ宣伝戦勝利オプションを訴求しているし、突き詰めると人道判断じゃない
ラストのアンジェラによる糾弾への中将のカウンター、
これも本質的だった
戦争の代償(コスト)を誰よりも知っているのは文民じゃなくて
軍人であるってこと
感情で叫ぶアンジェラ(人道派文民の象徴だと思う)こそ コストを実感できてないっと感じた
しかし、荒唐無稽かもしれないけど
こんなシーンはこの世から無くなれ!!って純粋にそう思うばかり
経済的困窮が 危険思想を喚起し テロル等の破滅を導く
これが問題の核心のはず
ソリューションの多くは マクロ経済政策に依存するから
世界の指導者達は 頑張ってほしい
重い
アラン・リックマンの遺作なんですね。
パイロットといっても、ドローン操作なので、大きな躯体のシミュレーターのようなものを操るのみ。志願したのではなく、奨学金返済のために軍隊にいるとのセリフがある。
昔の空軍パイロットを描いた「トップガン」が、なんと能天気だったことか…
しかし、このタイトルはひどい。目立たくて見落としそうになった。「空の眼」でよかったのに…
世界各地で勃発している紛争の多さに、また大きな戦争が起きるのではと...
世界各地で勃発している紛争の多さに、また大きな戦争が起きるのではという懸念を持っていますが、反面、日本という地においてはその意識は若干薄いとも感じています。この映画の様な事が現実に行われている事に大変驚きました。戦いのあり方が今後も変化していのでしょうね。自分の無知さを痛感しています。勉強になりました。
神の視点を得たとて
ドローン攻撃にてテロリストを抹殺する話
作戦本部とコントロール室と会議室を舞台にドローン攻撃の是非を問うのだが、凄い緊張感と臨場感でピリピリした雰囲気を上手く描いていた。
少女の命かこれから起きるテロ被害者の命かを天秤にかける選択は誰もが避けたくなる。
戦争ではそんな非情な出来事が多発していると突きつけられる映画だった。
圧倒的優位に立ちながらも攻撃の出来ないじれったさや、少女を救う方法を模索するも解決策が上手くいかない歯がゆさなど、ドローン攻撃のリアルが知ることができた。
また、判断を下す人間の苦悩が伝わってくる。
ドローン攻撃は卑怯だ、安全圏からゲーム感覚で爆弾を落とすなど、いいイメージが無いが、操縦する兵士、指令を出す大佐、許可する官僚などだれもが命と向き合っていた。
卑怯だとかの話の前に戦争を起こさないようにしなければと思った。
いくらハイテク装備を駆使しても、救えない命、神の視点で物語は進むが人間の無力さも叩き付けられたように思う。
もしかしたら、神様もこんな風にもどかしく思いながら地上を見ているのかも知れない。
自分がこの状況ならばどうするだろう、どちらにしても後悔する選択を前にして引き金を引けるだろうか。
多分、引くだろう、そして一生言い訳を考えて無理やり納得して悩み続けるだろうなと想像してしまった。
アランリックマンが「決して言ってはならない、彼らに戦争の代償を知らないなどと」と最後に言う。
戦争は悲劇しか生まない、軍人は悲劇の数を減らすのが仕事なのかも知れないと思った。
この映画に似て非なる作品「ドローン・オブ・ウォー」もおすすめ
ドローンパイロットの苦悩とCIAの非道さが見れる。
こちらの作品は民間人だろうが標的の近くに居ればかまわず爆撃する。
判断はしないし命令のままに引き金を引くのだが、段々すり減っていくパイロット役をイーサン・ホークが熱演している。
二つの映画は米国と英国で立場が違うので何とも言えないが、「アイ・イン・ザ・スカイ」は責任を取るのは誰か、法律は犯してないかを気にして作戦の苦悩を表し、「ドローン・オブ・ウォー」は責任がない事に苦悩する。
二つ合わせて見ることで、ドローン戦の今が見えてくるかも知れない。
劇中セリフより
「待てるが、待つ必要はない」
時間が有るなら最後まで粘りたいと思った。
今まで見たことがない新しい戦争映画
今まで、たくさんの戦争映画を見てきた。
中でも印象に残ってるのは、戦場の兵士の視点から描いた、プラトーン、プライべートライアン。
これらは、兵士の息遣いまで聞こえ、弾丸が耳元をかすめ、自分も戦場にいるかのような感覚になり、衝撃を受けた映画。
見た後、すごく疲れたという記憶がある、
一方、この映画は戦場から遠く離れた安全な場所から現場を眺めている映画だ。
見る前は、ゲーム感覚の映画だろうと思っていたけれど、確かに会議室で戦争は行なわれているが、目標の近くに少女がいることがわかってから、戦争は緊迫してきた。
攻撃に賛成、反対の立場から、上司への協議、作戦の見直しなどを瞬時に行なわなければならなくなった。
自分も会議室にいるようで、一緒にハラハラしながら、現場の様子を見ていた。
判断に時間がないという状況が、一層、ドキドキさせられた。
遠く離れた安全な場所でも、痛みや生命の危険はないけれど、戦争はある。そう思った。
そして、見た後、すごく疲れた。
描き方は今までと違うけれど、新しい戦争映画である。
最後に、攻撃することはやむを得ない判断だと思うけれど、あどけない少女が犠牲になるのは痛ましい。
戦争もテロも嫌だ。心からそう思った!
解釈によっては微妙…
戦争もここまで来たか、という感じ。
「殺す方にも心はあるのよ~」みたいなメッセージが含まれているようにも見え、戦争を正当化している風に解釈することもできる。
映画としてはスリリングで中だるみもなく、面白い。
現代の戦争
小型ドローンの誕生は戦争を変えてしまいました。これからはこんな感じで戦争は行われるのかと思いました。。テロ組織を攻撃する事で確実に危険を及ぼす一人の女の子の命か想定される多数の命か?どちらも大事でそんな選択は誰も出来ない。こちらから見た危険人物をいくら排除しても反対から見たら英雄だし、結局はそんな事ではテロは無くならないし、何処かで負の連鎖を断ち切る英断以外はないのかな?なんて感じました。
ドキドキはらはら
日本て平和ですね。
こんな時間を争うような会議なんてしないで、
みんな延び延びで話をしてますからね。
自爆テロをテーマにした映画をはじめてみました。
すごく現実味があって、こんな緊張感をもって映画をみたのは久しぶりです。
戦争反対。
戦争の形態が時代とともに変わりつつある。軍事用ドローンで敵のアジトをピンポイントで攻撃できる。ドローンどころかもっと上から攻撃できる。
テロリストが自爆テロの準備をしているところをキャッチ、捕縛が目的だった当初の作戦は殺害に変更。ドローンによる攻撃が指示される。
その標的のそばにひとりの女の子が。
彼女もろとも攻撃するのか。
イギリス、アメリカと離れた場所で同時刻にケニア ナイロビの映像を見ながら攻撃の是非を議論する。なんとも不可思議な光景である。
攻撃の意思決定は誰に委ねられるのか。そんなところから、女の子はどうなる?というところまで、ギャビン・フッド監督の演出は的確に映し出す。
サスペンスフルでもあり、また、群像劇にもなっていて、今の時代を映す好編になっている。
本作を見逃さないで、本当によかった。
個人の命に代えはない
「スノーデン」を観てからの鑑賞。ギリギリ間に合って良かった。この順番で視るとスッと入れるかと思われるのでオススメです。
機を見るに敏とは言え、ないがしろには出来ない人の命。切迫した時間のなか、人の感情を越えた所で決定をしなければならない。「何故こんなことになったのだろう?」などと、スクリーンの内でも外でも考えるのであろうが、決定とはそういう事なのだろう。
将軍の最後の言葉が重く刺さる。
クールにしてハード。ホントに考えさせられる!
なかなかハードな映画。
ずっと緊張し続けで席に固まっていた。
誰も悪くないし、誰も間違ってない。だが、現実にひとりの少女の命は奪われてしまう。
撃つか撃たないかという緊迫感がほぼ全編に渡って続くという構成はすごい。そしてそれを全く冗長にしない脚本と演出、アカデミー脚本賞、演出賞、監督賞の候補になるのだろう。
無関係な少女の命を奪うかもしれない作戦を実行する決断は、上へ上へと持ち上げられ、または横へ広げられ続ける。当事者の気持ちもわかる。結局、最終的な判断は、大佐と軍曹という強烈な上下関係がある中での無言の圧力というか、軍人としての阿吽の呼吸というか、共感というかに基づくデータの改竄によって決定している。
目の前の比較的小さな悲劇を防ぐか、ごく近い将来に起きると予想される大きな悲劇を防ぐか、といった判断を、軍人は戦場で都度しているわけだが、それを技術の力によって机上に持って来ることはできても、その判断の質が向上するものではないことを示していて、ほろ苦い映画だ。
究極場面では、民間人を一人でも巻き込む危険があり甚大な被害の確率が50%以上の場合はどんな作戦も実行しないという暗黙のルールを出来上がり、確率計算をする人に負荷が寄るだけで、「確率は65%だが、作戦を優先しよう」といった上位の「犠牲があってもやるんだ」という責任を背負った意思決定が行われるわけではない。これは、射手の「撃っても良いのか?」という疑問や要望に、指示命令系統はどこまで応える必要があるのか、という点も含めて難しい問題そうだ。
戦場という状況の恐ろしさを改めて気付かされつつ、戦場と遠く離れた場所で意思決定と実行が行なわれようとも、関わる人たちの苦悩と悲劇はなんら変わらないのだということ、巷で言われているような「ゲーム感覚での戦争」になっているわけではないんだということを教えてもらった。
民間大臣の「あなたは遠くから決定しただけ」という非難に対して軍人大臣は言う。「私は自爆テロ現場の処理で多くを見てきた。どんな軍人に対しても『お前は参加していない』と言ってはならない」このセリフも重かった。
軍人とは、ほんとうに非日常の極限を要求される職だ。そうした職業が必要という状況は、やはり、理想の姿ではないのだろう。
観ている間はひたすら緊張感、後でいろいろ考えさせられるクールな映画でした。ぜひ、機会を見つけて、鑑賞してみてください。
難しい
どうしてもアメリカの戦争映画を見ると、「人を殺すのは誰でも嫌だけれども、それでも自国やその他の国を守るために殺しているんだ。国を守るためなら民間人だって時には死んでも仕方がない。」というふうに自分たちを肯定しているように見えて仕方がない。
たしかに仕方ないのかもしれないが、軍の目線からではなく、民間人の目線からも描いて欲しい。
だが今回の映画は他の現代の戦争映画に比べると、比較的、民間人の目線で描かれていたので、少し感情移入することができた。
現代の戦争は、何度映画を通して見てもおぞましいと感じさせられる。
少女一人を選ぶか、このあとの80人を選ぶか。
パソコンの前に座った軍人が、政治家を口説きながら、やるかやらぬかの喧々諤々。作戦慣れしてる米軍をアドバイザーに、千載一遇のチャンスを逃がすまいと逸る英軍。しかし、モラルと世間評にゆれ惑う政治家は及び腰だ。
オドロカシはないが、じりじり、じりじり、緊張感がずっと続く。
アメリカ映画だったら、あのラストはないな。僕はこの方がリアルでいいと思うけど。
市街地での軍事行動に、巻き添え被害がゼロってことはほぼないわけだし。何%だからいいとか、何人だからいいとか、決めるのってほんと難しい問題。
リアル。
制服組と背広組、現場、それぞれの正義と理性と葛藤がリアルに描かれている。
悪者は一人もいない。(アルシャバブ除く)皆自分の正義と理性をフル動員して、ベストを考えている。
まあ、アルシャバブも自らの正義があるんだろうけど、イスラム教を屈曲解釈して、昔の戦国時代と同じことしてるだけ。派遣握って、最終的には世界を牛耳りたいわけだ。しかも前時代的な暴力と詐取、恐怖政治で。
イスラム教は本当は平和的宗教なのに、イスラム教徒が誤解されている。
つまり善良なイスラム教徒からも敵とされてる。
だから悪。更正させるのはシバいた後。
究極の判断が求められる、現代戦の意思決定の過程をここまでリアルに描いた作品はないのでは。
自分の国マンセーな洋画が多い中、偏らない作りであることも好感が持てる。
まあでも、安全保障になじみのない日本人には、わからないことがわからないというか、リアルすぎるゆえに一般人にはリアルさが伝わらないというか、実感が湧かないかもしれないが、ストーリー以外は(偵察用鳥型ドローンも、虫型ドローンも)ノンフィクション。
洋画版シン・ゴジラって感じかな。
いろんなセクションの、政府の人間が奔走するという点で。
これをきっかけに、日本人も安全保障を考えよう。
とかく日本は軍事アレルギーだが、軍人もかなりシリアスかつ、ちゃんと正義と理性を持ってるんだぜ。ってのがわかると思う。
戦争はだめです、はいそうですかで済んだら人類はとっくに平和になってる。
日本の「平和」「常識」は、とかく安全保障に関してはズレてるよ。
被害者面してピーピー平和を叫んでも無駄。
最後の、「決して軍人に言ってはならない、彼らが戦争の代償を知らないなどと。」のくだりは日本人が特に見るべき。ただ戦争はあかん、軍隊はあかん
って言ってたら、軍事作戦をしなかったら、それで、平和になるわけじゃないし、戦争を一番したくないのは軍人。
決められません!
アメリカ版「踊る大捜査線」みたいな内容でした。去年もドローン映画はありすましたが、戦争映画がだんだんとゲーム化してきています。
保身のためなのか、モラルの問題なのか迷うところですが、やはり決められません!
役割を全うすること
イスラム過激派と対峙する英米連合。地球の裏側から操縦されるドローンを使い行われるテロ掃討作戦。
一人の少女の運命とテロ阻止による犠牲の最小化を秤にかける何百キロ何千キロの彼方の政治家、軍人。
この場に自分がおかれたらきっと「仕方がない」と口にしてしまう。だが、みんなそんな言葉は口にしない。最善の結果になるようあらゆる権利を行使しつつ自分の責任を全うしていく。
融通の利かない法律に感じる事もあるが、それによって守られる事の大切さをを感じる。
様々な問題はあるが、政治の普遍的な命題にストレートに問いかけていると感じた。
責任を取りたくない責任者達
英国が主導するテロリストに対する軍事オペレーションを描いた作品。
オバマ前大統領が自ら許可したドローン攻撃によるテロリスト殺害数を公表(6年間で2000人以上)しているような「慣れている」米国と違い、とっても「ナイーブ」な英国政府高官達によるシビリアンコントロールの混乱ぶりと刻一刻と深刻になっていく現場の緊張感のギャップが秀逸。
「テロリストが80人を殺せば我々が宣伝戦に勝利する」というのはスゴい台詞だと思った。
しかしながらパンを売っていたのがオッサンだったらきっとあのパイロットは即発射していたのではないかとも思ってしまう。
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