「やるせない」アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
やるせない
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ケニアのイスラム過激派のアジトをドローンで爆撃する際、アジト近くで少女がパンを売っており、爆撃するべきか否かの過程をイギリスの作戦司令部、イギリス政府、アジト近くの工作員、ドローン操縦士のそれぞれの視点で描かれる。政府要人は責任取りたくない故、外務大臣、首相に至るまで判断を棚上げ。アメリカ政府はテロを未然に防ぐためには少女一人の犠牲も厭わない姿勢で描かれている。被害数値を低く誤魔化してでもテロ撲滅に動く現場の大佐役にヘレン・ミラン、政府要人に爆撃を迫る中将役にアラン・リックマン。やるせない思いで爆撃したドローン操縦士は実際こうしてPTSDになっていくだろう。工作員以外は誰も現場におらず、傷を負わない。少女の死が新たな憎悪を生む結果になっていくだろうと負の連鎖を感じるが、多くの死者を出す可能性があるテロを防ぐにはどうすべきなのか、ラストは微笑む少女のフラフープを回すシーンで終わるが、何とも救われない、やるせない気持ちになった。
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