「命と決断の重さ」ある戦争 everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
命と決断の重さ
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アフガニスタンに派遣されたデンマーク軍の部隊を率いる主人公。
彼は自分の作戦で部下が危険に曝される恐れ、そして実際部下が命を落とせば、隊全体の士気は下がり反発も受けることを身をもって知っています。
スパルタ風の鬼軍曹ではなく、部下を気にかけ、作戦に理解を求め、故郷で暮らす家族には決まった時間に衛星電話をかけるという、真面目な人柄の隊長であることが伺えます。
彼の空爆応援要請で、民間人が犠牲になったことで軍法会議にかけられるのですが…。
部外者が天秤にかけるとすれば、複数の民間人の命と瀕死の兵士1人の命ですが、兵士達からすれば、全員隊長に命を預けている訳で、主人公の決断を責めることは出来ません。
部隊の結束は血よりも濃い、という感じがしたのですが、証言台に立つ部下達や仲間の思惑が分かりにくかったです。
応援要請の決断よりも、そもそも保護を求めた現地の家族をあの時助けていれば、その後の悲劇は起こらなかったかと思うのですが…。
戦線の日常と、主人公の帰りを待つ家族の日常を淡々と描いたドキュメンタリーのような作品です。あえてそう描くことで、観客にも考えることを促しているのでしょう。良い題材だと思いますが、終盤は残念ながらあくびが止まりませんでした…。エンターテイメント性は皆無と感じました。
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