「でも誰かのせいにしたくなってしまう」誰のせいでもない hideaquiさんの映画レビュー(感想・評価)
でも誰かのせいにしたくなってしまう
カミさんはおばあさんを交通事故で亡くしている。トラックの左折に巻き込まれたのだが、接触によってではなく、転倒して頭を打ち、一週間昏睡したのちに亡くなったのだそうだ。
相手のドライバーさんの過失は全てではなかったけれど、責任を感じられて、奥さんは妊娠中だったけれど痩せられて、出産が心配されるほどだったそうだ。そこまで自分を責めなくてもと思うほど、お詫びもいただいて、その後何度もお仏壇に手を合わせにこられていた。
引越しをあえて知らせずにおいて、それは終わった。相手にも家族があり、これからも続く生活がある。
時間はカウンセリングはしてくれても、解決はしてくれない。きっと明日はいい天気と思わないと、人生やっていけない。でも希望的観測だけでは裏切られる。
つらい思いが消えなくて、不本意にも誰かを責める。誰のせいでもないなんてきれいごとで、誰かのせいにせずにはいられない。あの時に戻れるならと思ってしまう。重くやり過ごせない沈鬱と、深い諦念と、微かな思いやりと、それでも続く人生と。
この作品を見て、感想を書くのが難しいなと置いておいたのだけれど、書いておきたくなって。気取った長文失礼しました。
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