ハイ・ライズのレビュー・感想・評価
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なんでそのオチ?
予告、物語の序盤をみる限り、これはいろんなあっと驚くオチが考えられるなと思ったが、中盤以降はうーん、なんか色んなひとに脚本に口を出された感じでまとまりがない(原作は小説?)。エロを入れましょう。暴力を入れましょう。的な感じで、これらの過激表現が追加されたけど、物語の本筋に絡まってる感じせず、また伏線の回収不足だと思った。
あと、登場人物が多く、見分けがつかなくてより物語が複雑に感じた。主人公と、ダイハードの人と、妊婦はわかるけど。他は…貴族に扮するパーティで誰が誰だかわからない状況で人物紹介があったり、奥さんと女優も同じような容姿で見分けられないし。
最後の資本主義がどーたらこーたらも必要か??観た人の不満を解消するために追加したのかもしれないが、分かる人だけわかればいいよ的なスタンスで済ました方がまだ潔い。
良いところは、スーツ、シャツを格好良く着るには、体を鍛えなきゃ意味がないと思わせてくれるところくらい。あとおっぱいが観れる、かな。
ちなみに見ながら想像したオチは、順に、主人公の妄想説(実はパーティにも言ってなければ階層文化もない。姉と何かある?)。住人が実は囚人説。住人が実はシミュレータゲームの登場人物(シムシティ的な)。実は建物が違った説。(富裕層と主人公の住んでいる建物が同じように見えて実は隣の建物の話でエレベータのつながりが曖昧なのものそのせい)あの子が建物から脱出するために混乱をばらまいた説。
人間の汚い部分をオシャレカオスで表現?
前半は「おぉ、これからどういう展開するんだ?」とワクワク。 後半は「おいおいおいおい。ナニコレ。え、え、え?」と戸惑い。 予告編を観て予想したものとはなんか違うこの展開。 でも眠くはならない。 私が想像していたのは、高層マンションあるあるの「高層でも下層に住んでる人とはわけが違うわ」と思ってるタカビー上層階の住人が痛い目に遭う映画。 実際は、世の中の金持ちと貧乏・妬み嫉み・人間の欲望・心の醜さをオシャレ且つカオスに描いたヒューマンドラマのよう。 まともな奴なんていないというメッセージにも感じた。 劇中で流れたABBAの「S.O.S」のカヴァー、かっこよかったなぁ。 グロいのがNGな人は一部シーンしかないですが、観ない方がいいと思います。 個人的には「ザ・フォロイング」のジョーキャロルを演じたジェームズ・ピュアフォイが登場したので上がりました。
思てたんと違う
ポスターのみの判断で、ただただオシャレな映画なんだろーなと思って鑑賞。 スーツや家具は本当にカッコよく、女性のクラシカルな衣装はセクシー。 中盤から、「社会的階級とタワマンの階を重ね合わせた」表現が色濃くなってくる。 あ、そっち系の映画なのね。 入眠しました。あーあ。
本音だけの社会はこうなる
だだっ広い土地にいくつかのマンションが建っている。ひとつのマンションはひとつの国家として描かれる。国家には階層があり、上の階ほど金持ちで権力がある。最上階に住むマンションの設計者が支配者だと思われているが、実際はそれほどの力はない。 停電をきっかけにパニックが起き、最初は下の階が被害を受けていたのがだんだん上階へと広がっていく。 死は日常的で性の倫理は忘れ去られる。結社があり、裏切りがあり、詐欺がある。反体制派がいて、権力による弾圧がある。変化を求める者と変化を受け入れられない者。どこまでも関わる者と傍観する者。 国家は常に矛盾を抱え、支配層も被支配層も本音を隠し続けることで、何とか体裁を保っている。しかしひとつのきっかけで各階級の本音が火山のように噴火する。映画は、いまの国家が薄氷の上に乗っていて、いつの日にかどうしようもなく崩壊してしまうだろうことを暗示している。そして共同体が崩壊した劣悪で理不尽な状況でもなお、人間は日常的に生きていくのだ。
社会の秩序
この映画は色んな見方ができると思う。けれども私の見方がどう考えてもおかしいだろっていうことがあるかもしれないけど、優しく見守ってください笑 まず高層マンションの階によって階級が別れているという設定は、決して珍しいものではないかなと感じた。スノーピアサーという映画は高層マンションではなく列車だけれども似たようなところがあるため。この高層マンションにはスーパーマーケットやジムやプールなど何でも揃っている。生活に欠かせないものがすべて揃っていてわざわざ外に出る必要がない。だからこの高層マンションはただのマンションじゃなくて街みたいなもの。社会を表している。上層の人々はルールに従うべきだと考え、下層の人々はルールなんて知るかという感じ。下層のワイルダーは上層の人々、とくにこのマンションを創った建築家を消せれば、どうにかなると考える。でもそれで上手くいくわけじゃない。最近よく聞くフェミニストが今度は支配しはじめる。ちょっとしたこと、今回は停電だったが社会の秩序を乱す原因になるのだ。一方、ドクターのラングは、新しく入ってきたということもあり、下層と上層の間の立場に入る。マンションの中がどんなに狂っていても彼は平常心を保とうとする。そのためスーパーでペンキを買ってマンションの壁、自分の部屋の壁と同じ色に自分を染める。それで幸せを得ることができたと思う。彼は平常心を保とうとしていたが、その行為でさえ狂っていたのかもしれない。社会の秩序が元どおりに戻ったとしても、またいつ崩れるか分からない。永遠に続くことなのだと思う。 これは小説を映画化したわけで、少し説明不足だったり説明しすぎたりする部分があったと思う。主役はトムで、彼目的で観に行った私だけれども印象に残ったのはルークエバンスだった。
そしてビルが残る
タワーマンションを舞台にした寓話。閉塞した共同体は澱み腐敗していく。
マンションのルールを維持しようとする富裕層(保守派)。
マンションのルールに反抗する下位層(リベラル)。
両者の抗争が始まる。
下位層のワイルダーは、富裕層やビルの設計者を倒せば、システムは変わると思っている。
しかしビルの設計者(自分がこの世界を作り君臨していると思っている)すらも、システムの一部でしかなく代替可能。倒したところで何も変わらない。新たなグループ(女性グループ)にワイルダーも倒されてしまう。
結局抗争で皆潰れ、残ったのはマンションビルだけ。
ビルにとっては、腐敗や抗争すらも人を入れ替えるためのカンフル剤でしかない。マンションビルは二棟目、三棟目と建ち続け新たな入居者を迎えるだろうという暗示で映画は終わる。
ビル=システム(資本主義とかいろいろ)の象徴なんだろうけども。
格差対立を描いた映画というよりは、それらすべてを飲み込み続いていくシステムを描いた映画なんだろうなと思う。人は朽ちてもシステムは残る。
主人公のラングは、ビル=システムに同化しようとする(ビルと同じペンキを自分に塗ったりする)。そして最後まで生き残る。
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システムへの疑義って、今さらな感じはするんだよな。自分で書いてても厨二臭くて恥ずかしいというか。
だけども敢えて今、青臭い話を真っ向から撮ったその蛮勇、嫌いじゃない。むしろ好き。面白い映画だったなと思う。
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個人的に惜しかったなと感じたのは。
映像が説明的すぎちゃう気が。保守=ビクトリア朝の格好、リベラル=60年代ヒッピー風とか。
もうちょっとネットリとした「腐敗の官能」を感じさせてくれたらと思った。『クラッシュ(1996)』みたいな。
ビルの硬質な色気はあったと思う(建物の遠景がカッコいい)。
奔放な文明批判と滅びの美学
設定やストーリーは特段難解ではないけれど、細かく丁寧に(自然に)話を展開させようとする意志があまりに稀薄であるため、繋ぎの唐突感が甚だしい。 こういうザクザク感に慣れていたり、それをツコミ所として楽しむことができれば、最後まで筋から離れることはないだろう。しかし、そこに疑問や不満を感じるというのであれば、怒りしか感じないのではなかろうか。 現代の混沌とした状況を上手く表してるな~、と個人的に楽しみながら見ていたし、何だか好きな映画。絵づくりや音など凝っていたところを素直に享受できた。 ただ、映像のこだわりはもっと欲しいところ。魅力的な映像は少ないし、世界観にも乏しいものを感じてしまう。 現代批判みたいなものを感じるとはいえ、そのメッセージ性は弱く、単に普段我々が目にする負の部分を絶え間なく見せられるような気にもなってしまうわけで、これでは多くの支持は得られないこと必至。 決していい映画とは言えないが、個人的には(繰り返しになるが)嫌いではない。
007前哨戦
カッコのみの話笑。トムヒがもしホントに次のジェームズボンドに選ばれたら〜。という妄想を抱いて観ると良し笑。 しかし中身に関してはホントに何も理解できなかった久々に観たあとなんも感じなかったやはり疲れた状態で観るとダメだ。 だから感想なんて大したものは書けないからあらすじだけ。 40F建ての超高層タワーマンション・ハイライズに入居してきた医師ロバートラングを中心に、セレブの住む上層とラングら一般人が住む下層との待遇の差などの階層ヒエラルキーを描いた作品。 ある日上層の住人が電気を使いすぎたため、下層の電気水道ガスが止まってしまう。それをきっかけに下層住民の不満が爆発し、上層階の人間に抗議を申し立てる。 ここまではわかる。しかしそのあと何が起きたのか?ここが全然わからなかった。ホントにこの先の記憶がない。寝てないのに笑。 気づけばマンション内のスーパーマーケットは荒れ果て、ペンキ一つでさえも奪い合い、暴力まで振るうバイオレンス展開。 何というかまず登場人物が覚えられなかった。トムヒとジェレミー、ルークエバンスはわかるが他の人もう誰が誰だか。 あとはやはりヒエラルキー崩壊の件かな。キャッチコピーがすごく観たくなる出来だったからもっとミステリアスな作品かと思っていたがだいぶ違った。期待してた展開じゃなかったのも一つの要因かも。これに関しては自分のせいだけど笑。 ただトムヒ好きにはたまらない作品。灰色のスーツすげぇキマってた大抜擢なるか007!
難解な気もするし、単純な気もする
絶妙なバランスで均衡を保っている世界も、ふとしたキッカケで簡単に崩壊してしまうような欠陥だらけのもので、そこにいる人々も普段は何とか理性を働かせているが、ふとしたキッカケで簡単に崩壊してしまう欠陥だらけのものである。 停電という、ふとしたキッカケで崩壊する人間模様。崩壊というより、本能の発露って感じですかね。結局、人間てのは食欲と性欲で出来てるんだなっていう、それがある程度満たされれば次は征服欲。 上層階と低層階の争いに発展するものの、主人公は中立的立場を貫く。部屋をペンキで塗り替える事で正気を保とうとしてるのかは分からないけど、でもこの人もだいぶ狂ってるけどね。 人間の醜い本質と、環境に支配される人間を描いた映画。もっとエロくてグロくてもいいかと思ったけど、これ以上やるとR18になってしまうかな。 予告からすると、思ってたのと違ったという声が聞こえてきそうな映画でした。
何が何だかわからない
なにを見せられてるのか 分かりやすい話が好きな私にはなにもわからない え、ちゃんと会話してる?っていうレベルでなに言ってるかわからない トムヒがかっこいいだけで、その他の時間は睡魔との戦い。
ノイジーな内容に少々ウンザリ。
前半は面白かったのですが… ストーリーが大きく変化する中判からトリップしていると言う意味もあるのだと思いますが、PVの様なイメージビジュアルだけの進展となり… その辺りから監督が代わったのかと思うほど展開も雑に。 そこからストーリーに置いてかれました、メッセージ性が強いだけに説明不足。後はノイジーな内容に少々ウンザリ。 ビジュアルだけは常にフォトジェニックでVogueを観ている様で良かったのですが…。
昔の未来派映画
懐かしさを感じる映画でしたね。何か。 現在映画と思いきや、ブラウン管。 何だ何だと思っていると、車もレジも何もかも案外古いじゃないですか。 それを思うと凄いお話し。 しかし、エログロになってしまうと頂けない・・・
ペンキを死守するワケ
アイコニックで社会主義的でディストピアなハイライズは見るものをドラッグのトリップ状態に陥れるような不可解で奇妙なストーリー。分かろう分かろうと必死になってしがみつけば、たちまち駐車場まで真っ逆さまに落下する。
階級ごとに分けられたタワーマンションはスノーピアサーが如く各コミュニティーが立ち入らずに暮らしているが、インフラの供給不足と不公平によりその均衡はめちゃめちゃになる。その問題はまた他の問題を生み、喧嘩を見た男女が仲裁に入ることはより事を大きくすると言うように、事はどんどん取り返しのつかない方向に広がっていく。
そんな中でも主人公は周りに目をくれず同じ生活を繰り返し(というよりは見ないようにしていた)上の階のはぐれものの少年とだけ接触しながら自律を保っていた。
デモが起きる各階を無視して、主人公はスーパーでペンキを買う。壁中を空と同じ水色で塗りたくり、自分にもそれを撒き散らす。初め壁にあった彼女との写真は、上の階の女にすでに剥がされてしまっていた。自分のリズム(ジムのマシーン)、自分の色を持つことで、彼は何にも流されず存在して入られたのだと思う。
結果タワーはフェミニストに支配されたが彼は加担するわけでもなく存在し続け、隣のタワーの住人を招き入れることを考えて終わる。
シュール一辺倒
階層による格差がどうとか言うよりも狂った2グループのいがみ合い。 冒頭で終末シーンみせてしまっているし、停電とかプールとかがきっかけになってはいるけれど、元々おかしい人達ばかりで、それが崩れて行く様子をみるだけで面白味に欠ける。
「高層マンションで繰り広げる狂気で官能的なParty」
このような映画をエンターテイメントとして楽しめる人もいらっしゃると思うのですが、、私はだめでした。全く。 Sienna Millerも最初は分からなかったし(笑)、Jeremy Ironsもこういう作品に出演するのね、、、とか。 狂乱パーティーもいいけど、もう少しシリアスなシーンが欲しかった。 先週観た「The Riot Club」もストーリーは全然違うけれど、ある意味イギリスの階層社会を描いていて、あちらのほうが分かりやすかったです。 これR15指定だったのですね、、納得。
Thrilling and Flamboyant
The film recasts the Ballard novel by way of interrupting its space and time as if the director wants to showcase a whole new story in order to reinforce a postmodern condition in which man and woman are trapped by their own follies.
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