「奔放な文明批判と滅びの美学」ハイ・ライズ SHさんの映画レビュー(感想・評価)
奔放な文明批判と滅びの美学
設定やストーリーは特段難解ではないけれど、細かく丁寧に(自然に)話を展開させようとする意志があまりに稀薄であるため、繋ぎの唐突感が甚だしい。
こういうザクザク感に慣れていたり、それをツコミ所として楽しむことができれば、最後まで筋から離れることはないだろう。しかし、そこに疑問や不満を感じるというのであれば、怒りしか感じないのではなかろうか。
現代の混沌とした状況を上手く表してるな~、と個人的に楽しみながら見ていたし、何だか好きな映画。絵づくりや音など凝っていたところを素直に享受できた。
ただ、映像のこだわりはもっと欲しいところ。魅力的な映像は少ないし、世界観にも乏しいものを感じてしまう。
現代批判みたいなものを感じるとはいえ、そのメッセージ性は弱く、単に普段我々が目にする負の部分を絶え間なく見せられるような気にもなってしまうわけで、これでは多くの支持は得られないこと必至。
決していい映画とは言えないが、個人的には(繰り返しになるが)嫌いではない。
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