「ならずもの国家」ノーザン・リミット・ライン 南北海戦 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ならずもの国家
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戦意高揚映画かと思ったら戦死者への追悼映画でした。映画は2002年6月29日に黄海延坪島付近で勃発した北朝鮮と韓国の艦艇による西海交戦(第2延坪海戦)を描いてる。
第2とあるが1999年6月15日にも同様の戦闘が起きている。まさに黄海上に連合軍により設けられた韓国と北朝鮮の軍事境界線、北方限界線(Northern Limit Line)界隈は不服とする北朝鮮との間で今もくすぶり続けている火種の海域です。
何故、14年も経っての映画化かというと当時はWカップ熱や金大中大統領の融和政策の影響もあり大事にはならず追悼の儀式も2016年になって西海守護の日が制定されてからであり、近年になってようやく見直しの機運が高まっていると言うことらしい。
2時間越えの長尺だが前半は境界警備艦艇の乗組員たちの日常を描いている、1時間15分頃から戦闘場面が30分間続くが、これは実際の交戦時間と同じにしたかったようだ、それにしても奇襲を受けた韓国艇の兵士たちが次々に撃たれてゆく様はとても正視できません。
この時期はWカップ開催と言うこともあり紛争抑止の観点から韓国軍からの先制攻撃が止められていたことを逆手にとった奇襲でした。この事件を機に領域侵犯を犯す艦艇に腹を向けての遮断機動航行は撤廃されたが時すでに遅しでしたね。
防戦しかできない日本も甘くみられているのではないか、相手はならずもの国家と要らぬ心配が頭をよぎります。
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