西部戦線1953
劇場公開日:2016年4月9日
解説
「ペパーミント・キャンディー」「オアシス」などで韓国の名優として知られる名優ソル・ギョングと、「ファイ 悪魔に育てられた少年」で注目された若手俳優ヨ・ジングが共演し、朝鮮戦争の最中に戦場で出会った韓国兵と北朝鮮兵が織りなす物語を描いた。朝鮮戦争休戦目前の1953年、前線基地へ第1級の軍事機密文書を届けるという重要な任務を任された韓国軍の伝令兵ナムボクだったが、戦火の中でその文書をなくしてしまう。一方、所属していた戦車部隊が全滅し、ひとりだけ奇跡的に生き延びた北朝鮮軍の新兵ヨングァンが、その機密文書を偶然拾う。孤立無援の西部戦線で2人は出くわすのだが……。
2015年製作/112分/韓国
原題:The Long Way Home
配給:ツイン
スタッフ・キャスト
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2022年10月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
冒頭のコミカルな音楽からもわかるように、全体的に戦争コメディの様相を呈していた。北朝鮮の第369戦車隊の新兵ヨングァンが米軍機の襲来を生き抜いて、偶然にも機密文書を拾った。そして韓国軍伝令兵ナムボクはその機密文書を追っていた・・・
偶然出会った二人はいがみ合い殺し合おうとしていたものの、銃や手榴弾の使い方もままならず、戦車の操縦さえ素人のヨングァン。コントの応酬みたいな展開でもあるが、徐々に二人は殺し合いに疑問を感じていくストーリー。
恋人と上手くいきかけた北朝鮮のヨングァンは突然の召集。同じように韓国軍のナムボクにしても子供が産まれたばかりなのに名前をつけるすんでの所で召集。朝鮮戦争が一般市民にどう思われていたのかもわかるし、38度線で肉親が離れ離れになった様子もうかがえる。基本的に南北融和のテーマが下敷きにはなっているのだ。
戦車を無事に北へと持ち帰りたい気持ち。機密文書を持ち帰りたい気持ちが交錯するも、お互い傷つけ合わずに済む方法を見いだしたのだ。ソル・ギョングの名演によって面白さは増すのに、全体の8割がコミカルなところで飽きてしまう欠点もあり、最後はそんな悲劇にしなくても・・・と悲しくなってくる。でも、観て損はない作品だと思う。
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思いのほか、、、タイトルからくるイメージと異なり、
笑って泣いた。こんなに全編を通して笑ってしまった映画ももないし、笑いの合間にうまく泣かせてくれる。
同じ国、同じ言葉同じ文化の人たちの戦争なのよ。そのことを思い知らせる強い映画だ。
戦車の中密室で、荒屋で蜂の大群におそわれて、南か
北かどちらについてるのかわからない村人たちと、
言葉がぜんぶわかり食文化も宗教的行事もライフステージの過ごし方イベントのやり方も全て共有している人たち。2人の兵士。
村で子供が生まれるシーンも、村人たちが力を合わせて戦車を引き上げてくれるシーンも、同じ文化と歴史を共有している朝鮮半島の歴史をそしてなぜこのような分断が引き起こされたかを語る。
敵味方がよんどころない事情で図らずも一致協力して現状打破しようとする物語は珍しいものではないがこの2人は同じ朝鮮人であり誤解や文化の違いがそもそもない、南朝鮮軍北朝鮮軍も村人もしかり基本同じコンセンサスのもとにある。この映画で唯一異質なものとして出てくる(そして異質な笑いになる)のは中国共産党の兵士達だ。
2人仲良く川釣りの帰りの蛍の道の思いっきりキラキラファンタジーのシーンは、人類の長い歴史、すなわち戦争の歴史のなかでこれまで人類が絶滅しなかった理由そのものを示しているだろう。前半で南朝鮮軍ソルギョングたちが、人間が始めたことだからそのうち終わるだろうと言っていた。
ソルギョングがうまい。若者の方も魅力的だ。
蜂刺され顔も最高だし、最後まで死の匂いを感じさせながら諦めない、希望を捨てない人間の姿を強く見せてくれた。
ほんとに数々の悲惨な戦争体験の中、数々の笑いで、おなかいたくなるくらいで、最後は一体どうするのか、、、これでもか、これでもかと引っ張るラスト。
南朝鮮の上官が休戦と聞いてもすぐに砲撃をやめられないのと同じだとおもう、この映画が終わりそうで終わらないのも、北の人も南の人もあと少し進めば故郷に帰れる、家族に会える、家族を弔える、、、そんな諦めることができない人たちがたくさんいるのだろうと思う。笑いながら泣き、泣きながらも笑いを抑えることができないよくできた映画だ。
飛べずに道を駆ける戦闘機、を追う、ボロボロの戦車、を追う猛スピードの牛車、、とか、ありえない、今思い出しても笑える、二度と見られないすごい光景。
主役の2人に負けず劣らずの助演賞は、戦車と2人にずっと寄り添った牛車の牛さんだろう。
見てよかった。ほんとに。
2020年11月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
最近の映画だけあって、爆撃や銃撃のシーンはリアルで臨場感ある映像でもあった。
でも深刻な重い戦争映画かと思いきや、幼稚なかんじのコメディチックな内容だったりで拍子抜けもしたし、くだけたコミカルな映画として見るべきだった。
それでも、その笑うセンスのポイントもズレてるかんじだし、最後もムダな友情?やら熱さやら?で、なかなかに共感できず。
過剰に期待してた自分がいけなかったのだろうけど(笑)
2020年10月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
朝鮮戦争の最中、戦場で出会った韓国兵と北朝鮮兵が織り成す物語、
過剰にならないコミカルさと非情な戦場の描写入り交じる、
そして胸打つ静寂。