「キミにマニョマニョ。」LOVE 3D 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)
キミにマニョマニョ。
「LOVE」とはよく名付けたものだ、と感心した一本。
♪愛とは痛いものだと聞いていたのに~
♪背中にプリンを~入れられたようだ~
ピント外れかもしれないが、観ていながらそんなパール兄弟の歌を思い出した。
優しくて甘くて暖かくて。
そして。
辛くて苦くて凍えるように痛い。
まさにそれが「愛」であり、同時に雄と雌の間に横たわる大河。
個人的体験でさんざ味わい、もう二度と食べたくないけれども。
「人間だってアニモー」の本能に逆らいきれないものが見事に凝縮されていたのは、本当に毎度ながらギャスパー・ノエ監督に打ちのめされた。
「綺麗ゴト」を事実から暴く、やはりそんな極端な仕事が自分は好きだ。
だがSEXシーンの7割削っても通じるのはどうなんだろうな。
どうせボカシだらけだし、そのボカシが3D効果で飛び出したのには笑ったが。
苛烈な性描写だが、実際に子作りするとなればそんな滑稽なことを皆している訳で。
そこに焦点を当てた作品で、その描写にフィルターを掛けるのは、作品の真意の曲解に繋がるし。
そもそも映画のレーティングも無意味だよね。
「幾度身体を重ねても、ある日突然訪れる『拒絶』」
そんな良くあることを描くには、あのSEX描写は意味があるし。
しかしながら無くても(濃密に描かなくても)十分にテーマは伝わるし…
監督の切り取りが鋭すぎて、逆にテーマが隠れてしまうような気がしてしまう作品。
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