「『ハリウッドに嫌われた』と邦題の副題『アメリカ合州国に嫌われた』だぜ」トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
『ハリウッドに嫌われた』と邦題の副題『アメリカ合州国に嫌われた』だぜ
『ハリウッドに嫌われた』と邦題の副題が示すが『アメリカ合州国に嫌われた』だと思う。どちらでも良いとは思えない。まぁ、どうでも良いが。
さて『アメリカ共産党』は現在でも存在する。では、なぜ誰も立法に立候補しないか?それはアメリカ共産党は非合法だからだ。つまり、結党は出来ても、上院、下院議員にはなれないと言う事だ。勿論、大統領にもなれない。
先ずはそれを知るべきだろう。自由と民主主義の国たが、法的には大きな壁が存在するのである。
『黒い牡牛』『ジョニーは戦場へ行った』が好きで『エドワード・G・ロビンソン』が好きだった我が亡父に見せてあげたい映画だ。
僕の感想は前述の通り、だから、なぜ『赤狩り』があったかを考えるべきで、1950年は朝鮮戦争が始まる年。だから、この映画では、ジョン・ウェインやレーガンやロビンソンがヒール役をやっていているが、そもそもがアメリカの国策なのだ。
従って、反共の波は収まったわけではない。1960年代に入れば、ベトナム戦争が反共を後押しする。そして、1991年にソ連が崩壊しても、アメリカは反共はそのままである。勿論、中華人民共和国がアメリカにとって仮想敵国だからだ。
つまり、アメリカにとって仮想敵国になった国のイデオロギーを排除すると言う国策なのである。
がしかし、ロシアがその虚を付いて謀反を起こした。それがウクライナとロシアの争いになるのだ。
話がそれた。
この映画で一番触れなければ駄目な点。やはり、エリア・カザンとの関係だと思う。
ハリウッド・テンはこの映画の様に名誉回復するが、エリア・カザンはその反動で嫌われ者に現在は位置している。だから、邦題の『ハリウッドに嫌われた』と言う副題に物凄く不満を持つ。
因みに『赤狩り』は日本にも起きて、それは『レッド・パージ』と呼ばれ、アプレゲールと言う中途半端な時代に『下山事件』『松川事件』『三鷹事件』等の事件が起き、労働者が大量解雇される。これが『レッド・パージ』と言う。さて、そう言う事件が1949年に起きていると言う事を『レッド・パージ』と『赤狩り』を区別する必要性があると申し上げておきたい。
『レッド・パージ』の後に『赤狩り』が起こるのだ。
事件は全て闇の中であるが、手塚治虫先生の『奇子』、COMICSを読む事をお勧めする。
マサシさん、共感ありがとうございます。
冷戦時代の共産主義に対するアメリカの怖れ方は極端でした。平和主義者のチャップリンまで追い出したのですから。イデオロギーと表現の自由の境界線は難しいですが、作品をどう観るかは個人の自由に委ねられるべきです。ただ映画はプロパガンダに利用され易いのが宿命としてあります。その点は現代でも気を付けないといけませんね。小生は表現に人間愛があるかで判断します。だからエリア・カザンも嫌いではないです。「ブルックリン横丁」「革命児サパタ」「波止場」「エデンの東」「草原の輝き」「アメリカ アメリカ」「アレンジメント」みんないいですよ。