劇場公開日 2016年11月26日

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「悪夢の女護島」エヴォリューション フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

悪夢の女護島

2017年3月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

まずは同時上映の短編「ネクター」の感想から

画像の粒子が荒くなんだか「ソドムの市」でも見ているかの様な印象。

初めはどんな難解な話かなと思ったが、どうやらミツバチの女王の話だったのだろう。
女給にまさぐられてローヤルゼリーを出したり、近未来都市の団地がハチの巣のを模していたり、なかなか面白い表現だと思った。

全盛期は重宝され衰退すれば去られる。
女王のための王国なのか王国のための女王なのか、蜂社会の残酷さを垣間見ることができた。
途中、レモンと蜂蜜を合わせて食べるとおいしいよって展開が挟まれる、おいしいよねって思った。

女王のまつ毛の長さとか、女給の黄色いドレスとか、一つ一つが洗練された感じで、一定の美意識があった。
物語も理解不能ではなかった(多分)ので良かった。

本編「エヴォリューション」の感想

島で暮らす少年が疑問を晴らし謎を解く話

短編「ネクター」が思いのほか面白かったので本編にも期待が膨らむのだが、こちらはかなり難解で理解力の乏しい自分には難しかった。
鑑賞後知人に感想とその旨を伝えたところ「理解なんてできないですよ、ただ楽しむだけです」とのこと。
なるほど、ただ楽しめばよかったのか。と思ったがまだまだ自分にはこの手の映画は楽しむ技量は無かった・・・

そんな自分でもこの映画は綺麗と残酷と不気味と安心の入り交ざった稀な作品なのだとは思えた。

海中のサンゴや魚、水死体、ヒトデ、潮の流れどれも美しい、陸上の家や病院施設もレトロでお洒落だ。
登場人物も美しい女性や少年ばかりで眼福でした。
所々に死体やら死骸やら、ホルマリン漬けの~、謎の青い薬、注射、切開手術などグロテスクなシーンも満載で見ている間、怖さと綺麗さで板挟みになってしまった。
スプラッタ映画はある程度見慣れているのだが、美と残酷の抱き合わせには免疫が少なくかったのでかなり心にダメージを受けた。
画面の粒子の粗さもあいまってダークファンタジーの世界にどっぷり引きずり込まれたのはいい経験だったかもしれない。

会話から読み取るには情報不足であったが、なんとなく島の生活や物語の背景、筋はわかった気がする。

赤いヒトデと主人公の赤い服が印象的で、何か繋がりやメッセージが込められていたのかも知れない、手術台の照明により少年の瞳に星(ヒトデ)が現れたのも何かを象徴していたように思うのだが、意味があったのか無かったのかわかる人がいたら教えていただきたい。
いや、解からない事は解からないままにしてそれすら楽しむのが本作の味わい方なのだろう。

あれこれ考えたが、考えるのはやめよう。
ナースのお姉さんが美人でしたね。これで十分だ!
彼女たちの目的はよくわからなかったけれど、なんだか諸星大二郎の漫画で出てくる妖怪、神、精霊なんかの不思議な話を連想しました。なにか常人には計り知れない物事があるのだろう。

ラストシーンの文明の光、夢から覚めた感覚、ちょと寂しいこの感覚はなんだろうか。
悪夢から覚めたのに現実に向き合いたくない、そんな複雑な印象の映画です。

劇中セリフより

「お母さんじゃない」

お母さんだと思ってたら別人だった、なんたる恐怖でしょう。

子どもの頃、お母さんだどれだけ大切で安心で、頼れる存在だったことか。今はその感情も薄れてきたが、両親には感謝の気持ちを忘れないようにしたい。

フリント