少女(2016)のレビュー・感想・評価
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因果応報?
こんなにメンタル弱い少女が剣道日本一? あり得ない。
足治ってるのに引き摺るふり。一流アスリート(元でも)としてあり得ない。
大切な小説原稿を無造作に鞄に、あり得ない。
教師が学校に置いてあるパソコンにJKとの援交動画保存、あり得ない。
パスワードがKYOMU、安易すぎ。
とはいえ、簡単にパスワード解き過ぎ、あり得ない。
実はあの人とあの人はここでつながっていて........せいぜい二つまでにしときなさい。
それ以上やられるとしらけるだけ。このお話は絵空事ですよ、といってるようなもの。
由紀が病院で、敦子が老人ホームで働きだす動機は人が死ぬ瞬間を見たいから、らしい。
小説ではそう描写しているらしいが、この映画だけ観てわかるか?
そんなブラックな理由で出向いたくせに、難病の子供たちとちょっと触れ合っただけで絆される。
キモイおっさんに抱かれてでも、なんて一瞬でも考える。あり得ない。
いやいや、そんなことらはたいした欠点ではない。
最大の問題は因果応報を間違って捉えていること。
「じゃあボクたちも、なにか悪い事をしたから病気になっちゃったのかな?」
難病の子供たちに問われて、何も言い返せない。やめとけ。
原作は未読。あくまで映画の感想です。
映像は美しい。本田翼、山本美月も美しい。
映像として観る価値はあり。そこに星ふたつ、です。
何をいいたいかよくわからなった
何をテーマにしているのか?
陰険な映画で無かった事が重要です。
現代社会にて女子高生を取り巻く環境や犯罪などを利用し、それがうまく交わった人間関係のお話。(うまく交わり過ぎと感じる人もいるかもしれないが、それは映画という事で勘弁。)
一つの小説が関わっていくのだが、これがうまく映画に調和していく。
序盤は「陰険な映画でありきたり?」と思っていた自分の頭がだんだん違う方向へ向かいだす。
主人公は2人の女子高生の本田翼と山本美月。この2人が出てるので完全若い人向けかな?と思ったがそうではなく、しっかり女優を演じている。(女子高生としては無理あるが)
「ありえない」ってシーンもあるのだが、ベタでは無く原作の小説や脚本を大事にして映像化したんだなと(私は原作や脚本を観てませんが)思わせる作り。
小説も別で読みたくなりました。
最近の可愛いやカッコイイだけで終わってしまっている映画が多いだけに、若い人に観てもらい、色々な感じ方をして考えてもらいたい映画。「映画」とは?と。
良かったです。配給どこ?東映でした。
やっぱり内容の作りお上手ですね東映。
だけど最後欲しかったかな?
途中友達になった佐藤玲の「因果応報」、、、、少しシラケちゃった。
ペースはちょっとおかしい
前半は結構暗黒なシーンが多くて二人の少女の過去を描いたり暗いなあーと思わせたりしている。
が後半急に進展があって物語が進んでる感じ。
で最後はすっきりさせた内容で見て気持ち良かった。
何だかバランスねー
すごく簡単な話だが色々要素が入ってきて逆にエンディングが軽かった。
中に敦子の足の話はよくできていると思う。心が強くなりつつ、守りたいという感情が強くなりつつ、もう装いもいらなく素直に自分に向き合える。パンツをよく着る姿が敦子の性格のモチーフにもなる。
対照に由紀はスカートやワンピース姿が多くて、声も太いが意外と繊細だ。彼女の守り方は自分の暗闇を抱きながら、小説を書くことだー
この点はいいだろう。
あと本田翼の演技はもうちょっと自然になって欲しい。
後からじわじわくる。
予告の仕方が、ミステリーというよりはサスペンスなイメージを連想させるのでもっとスピード感のあるハラハラした感じをイメージして鑑賞しましたが、実際は凄く緩やかで、イメージしてたのと全然違ってちょっと残念でした。
メインはユキとアツコの二人の少女です。二人は親友で、お互いがお互いを想い合っているのにも関わらず、その友情はいろんな障害によってとても不安定なものでした。
でも最後にはそのわだかまりもとけて、見方によってはハッピーエンドです。
前半から中旬には沢山の伏線がはられていて、最後には点と点が繋がり、ああなるほどという感じです。
人間関係図が書きたくなります。原作の湊かなえさんは、こういった人間関係を描くの上手いなと思いました。
作中に出てくるユキが書いた『ヨルの綱渡り』。良い話だと思いますが、映画で観るとあんまりしっくりこなかったです。
これは文字で読みたいなと思いました。
原作未読なので買おうと思います。
見終わったあとの後味はあんまり良いものではありませんでしたが、個人的には良い話だったなと思いました。
日本の小説らしい、人間の感情を重視した繊細な話でした。
深読みすればするほど、登場人物達の気持ちが後からじわじわ来て、なんだか誰も責める気にはなれませんでした。
悪いことをしてしまった、あの人もあの子もあの人も、皆、一人の人間として思うところがあったんでしょう。
因果応報
パズルのピースが繋がっていく
因果応報
思ってたより面白かったです。
面白かったですが冒頭はゆるやかに話が進むため正直退屈さも感じました笑 見終わった時も予告と思ってたより違う感じの話で原作を知らない人間からしたらあ、こういう感じなんだという…。でも今思えばなかなか面白かったかなという感じでこの評価です。
正直本田翼さんの演技に酷評が多いイメージがあったため心構えしてましたが、今回の役は今までで1番良かったと思います。睨むシーンや思春期独特の悩みなど表情の演技が良かったと思います。しかし子役の眼鏡の子とのシーンでは子役の子の演技が上手すぎてアアアとなりました…子役の子が上手すぎました…!!!
テーマは因果応報
冒頭、遺書のようなものを少女たちが演劇のように一人ずつ台詞のように読み上げるシーンから始まる。
これは誰が書いたのか?
剣道の優秀な選手だったが怪我したことにより、いじめの対象となってしまい、足の怪我が治ってないふりをする少女。
その子にメッセージを伝えるために小説を書いた少女。
その小説を盗んだ教師。
その教師と付き合っていた女子高生。
その女子高生の友人の転校生は痴漢の被害者のふりをして、大人からお金をまきあげている。
その被害者の男。
その男の息子。
全てが繋がっている。
自分がした悪いことが次の人に繋がっていって、結局自分に返ってくる。因果応報。
いじめがネットの掲示板だったり、グループチャットだったり、
教師への仕返しが、情報漏洩だったり、
昔とは変わってきているのを感じました。
陽が昇るまで堪えてくれ
原作未読。
『告白』の湊かなえ原作、というフレーズや予告編を
観る限り、相当にドロドロな作品ではと身構えていたが、
真摯で優しい内容の良作でした。
* * *
とはいえ、褒めるのは後回しにして、まず不満点から。
せっかく2人が親友であることを再認識した場面に
水を差して悪いのだけど、あそこで重傷のタカオさん
を放って行くのはさすがに不自然。おまけに彼が
無事だと分かっているならともかくとして、あんな
タイミングで無邪気に笑い合えるもんかしら?
また、物語全体として、
ネットいじめや終末医療や認知症介護や
教職者の性犯罪や援交や痴漢冤罪やと
現代的なネタをもりもり盛り過ぎてどこに
焦点を合わたいのかハッキリしないのも難。
あと、サスペンス映画でちょくちょく見られるが、
別に『全登場人物が意外な所で繋がっていた』という
展開を無理に持ってこなくても良いと個人的には思う。
せっかく現実に即したテーマを扱っているのに
現実味が薄れてしまう気がするし、物語の世界が
かえってこじんまりしてしまう印象を受けて嫌。
同種の人間を登場させて匂わせるだけでもいいじゃない。
* * *
などなどの不満はあるものの、観て損無しの3.5判定。
厭世(えんせい)的かつ冷笑的に開幕しながら、最後に
ポジティヴなテーマに落とし込む優しさが好き。
責められ、なじられ、罵られ、
もうこの世界に自分の味方はいないと感じると、
自分なんてこの世界には不要なのではと思える。
不要ならば誰にも迷惑を掛けないよう
いっそ消えてしまいたい、そう思うようになる。
『死』が魅惑的な選択肢として浮かぶのはそんな時。
繰り返される、暗く美しい水没のイメージ。
ミレーのオフィーリアを彷彿とさせる、海に浮かぶユキの姿。
人は自分の死にドラマチックなものを期待する。
舞台のごとく美しく儚い幕切れを期待する。
しかしだ、
そのドラマはあくまで自分の中で完結するもの
であって、遺される人間からすればそんなもの、
美しくもなんともない。ただ血生臭く悲しく虚しいだけだ。
ユキは ひと1人が死ぬということを十分に
理解していないままに『死』に憧れている。
だが、死とまともに向き合う子ども達と接する
ことで、彼女は少しずつその認識を改めていく。
大切に想えるものを亡くすまでは、大抵の人間は
死がどんなものか、そしてどんな影響を及ぼすかを
実感できないものだと思う。
(理解した上で自死を望む人もいるが
この映画の主題ではなかろうなので飛ばす)
死にたいくらいの気持ちに追い込まれながらも、
最後の最後に互いを救うことができた親友ふたり。
相手のことを何でも知ってるから親友、って訳じゃない。
相手のことを心の底から心配し、自分だけでも
味方になってあげなくちゃと思えるから、親友。
世界にたったひとりでも味方がいると思えれば、
人は前を向いて生きていけるものなのかも。
* * *
けれど、救われなかった少女もひとり。
「退場!」だなんて笑わないであげてくれ。
暗過ぎて、深過ぎて、彼女には光が届かなかったのか。
そもそも彼女に手を差し伸べてくれる人はいたのだろうか。
世界は広い。自分が思っているよりもずっと広い。
これだけ広いんだ。今は居場所がないと感じても、
まだそれを探せる余地は残っている。
綱渡りだと思っていたが、陽が昇れば
足場は十分に残っていることに気付くはず。
もう少しだけ待っていてくれれば。
陽が昇るまで堪えていてくれれば。
<2016.10.8鑑賞>
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余談1:
本田翼、最近良いわぁ。
暗いシーンと明るいシーンのコントラストが鮮やか。
彼女が演じるユキの演劇的な台詞回しや“闇”“漆黒”などの
言葉のチョイスは聞いてて何だかこそばゆいのだが、
あれは思春期特有の「自分はユニークな存在であり
世界の真理を知っている」という過剰な自意識から
くる言動……まあいわゆる“中二病”的な印象もあり、
それはそれでリアルに感じた次第。
山本美月も好演。カイザー・ソゼっぽくて良いね。
(↑他に良い誉め言葉は無かったのか)
余談2:
エンディングテーマの『闇に目を凝らせば』が
物凄ーく気に入ってしまい、詠ってるGLIM SPANKY
のCDを鑑賞した日にお店で探してみたのだけど、無い。
「ああ、売り切れてますねえ……。『ONE PIECE』
効果ですかねえ。映画の主題歌で。」と店員さん。
おのれ麦わら海賊団 許すまじ。
(↑言い掛かり)
まさに“ヨルの綱渡り”。さまよえる孤独な2つの心。
【賛否両論チェック】
賛:周りの人間関係から外れた2人の少女が、目の前にちらつく「死」と向き合いながら、少しずつかすかな希望を手にしていく様子に、人間としての在るべき姿を改めて考えさせられる。
否:特に序盤は淡々としているので、興味がないと眠くなりそう。イジメ等、思わず目を背けたくなるようなシーンもある。
片や、
「自殺は敗北宣言だ。」
「この世界には、愛も自由も平等も存在しない。」
と周りから距離を置いて生きてきた由紀。片やイジメの対象となり、周りから距離を置かれて生きてきた敦子。2つの孤独な心がもがきながら、同じように孤独な孝雄や、難病で入院中の子供達とのふれあいを通して、少しずつ希望を見出だしていく姿が、印象に残ります。それはまるで、由紀が劇中で書く“ヨルの綱渡り”さながらで、思わず考えさせられます。
一方で、他と違う者を簡単に迫害してしまったり、己の欲のために何のためらいもなく他人の人生を壊してしまったりと、人間の持つ醜い部分が淡々と描かれるので、その辺りは好き嫌いがハッキリ出そうなところでもあります。
軽い気持ちで観られる作品ではありませんが、闇のように深い絶望の中でかすかに光る希望を描く、そんな作品に仕上がっています。
命を扱った稀にみる秀作
少しだけネタバレです
原作は未読です。
他の方も書いている様に、作品紹介文が的を射て無い。私としては勿体無いなという感じです。
満点をつけたい程にストーリーが良かったが、本田翼のあのわざとらしい声の出し方?話し方だけが足を引っ張っているように思います。
まあ見事に登場人物ほぼ全員黒かった…
でも映画の中の人物の全ての行動原理は現実の人間には付き纏う感情なのかなと思います。
最近の話題作は現実には無い様なお綺麗に纏まった話ばかりだったので、(ここまで猟奇的なのも現実にはないですが)人間味があって楽しめました。
伏線もたくさんありますがわかりやすかったです。
オチはともかく、終盤はタカオと、ユキとアツコの純粋な強い気持ち(動機)に救われました。
物語は終始ユキの書いた「ヨルの綱渡り」という小説を軸に進んでいきます。その小説の描写も心に響くいい一節が多く思いました。
そして因果応報…おばあちゃん怖かったです。。
個人的にはもっと話題になってもいいのにな、という感想の面白さでした!
宣伝の煽りが間違っている
十代の危うさ
を表現した良作でした。(自分が男だからか、共感まではなかった。その辺は女性の意見を聞きたい。)
本田翼も山本美月もルックス的に女子高生はかなり無理があったが、闇を抱える役が適役だった。校閲ガールといい、安堂ロイドの頃はザ・大根だった本田翼の演技力が徐々に増してきていると感じる。
一部登場人物のクソっぷりが相変わらず湊かなえさんらしい。著者の周りにはそんなに悪い人がいるのだろうか。単なるハッピーエンドで終わらせず、嫌なラストを持ってくるところも彼女らしい。
人の善と悪の両方を描くところは宮部みゆきさんと似ているが方向性は違う。悪意に立ち向かう暖かい善意・正義感を描き切る宮部みゆきも良いが、ほんの僅かだが確かな善を拠り所として圧倒的な悪意の中を強かに生きていく、そんな湊かなえ作品の方が自分は好きだ。
原作者に関する分析に終始してしまったが、そんな湊かなえさんらしさを上手く表現した映画だった。
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