「ヴィランがイマイチ」シャザム! えんぞさんの映画レビュー(感想・評価)
ヴィランがイマイチ
予想外に楽しめました、よかった。
ほぼ敵についてだけ書きます、あんまり誉めてません。
一見すると強い敵!と期待しかけましたが、思い返せばどうもそうでもなかったかなと感じます。
まず、ヴィラン化する動機?トラウマ?がイマイチな気がしました。 根源は親や兄へのコンプレクス。
他人には針穴ほどにちっさく見えても 当人にとってはブラックホールほどの大きな闇の穴に感じてしまうのがコンプレクスというものだから、それならそれでもう少し コンプレクスの根深さや複雑さ、深刻さを納得させて欲しかった。
気になったのは、家族に疎外されてきたことが自分の不幸だと云うわりには 自身でスポンサーをやれるぐらいには大成してる、もしくは援助してもらえてる。
金銭の問題だけじゃなく、それ相応の教育や教養も受けられてる。 それなのにその長年の研究は、あのときの自分が正しかったのだと証明したかっただけ? でもそれを認められたところであの車の事故は弁護しづらい。 なんというか敵の人生に説得力を感じませんでした。
また、ヴィランの体内に最後まで嫉妬?羨望?が粘着してましたが それだと、自分が成れなかったシャザムや、自分が持てなかった(良い)家族らにヤキモチ妬いてたことになるのですが、それホントですか。 ここの些細なズレのために ヴィラン自身のもってた愛憎コンプレクスの鮮度が薄まったかな、という印象です。
敵も味方も 不遇で多難な子ども時代だった。 そりゃあ大変だった、愛してほしかった。 そこは同じなんですよね。
だから、あっちの子どもはピュアだから許されるけどこっちはそうじゃないから許されない・なんて可哀相。 敵である現在はともかく彼の過去の気持ちだけでも拾ってあげられてたら、あるいは救いはあったかもしれない。 そうじゃないから じゃあみんな全部悪魔に喰われちゃえ・ってなっちゃうし、心を救わないまま 主人公のピュアさを示すために命だけ残しちゃうから、その後も恨みを残しちゃう。
そして問題の実践。 魔術がどうのこうの云うわりには相手への攻撃は首根っこつかんで上空から落とすか 体当たりでド突くかのくり返し。
ヒーロー映画はまず敵が強いことが重要だと思うので、個人的に残念でしたよ、ポテンシャルは十分だったのに。。 悪神たちも単なる肉食獣、凄みはあるけど仕事が雑な下っぱ。 そして神セブンが全部ぬけると生身に戻るとかビックリするほどマヌケな弱点。 子ども(ヒーロー)の口車に乗せられちゃってるし。。。
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アメコミはたいてい出生や使命が根暗なんですが、この作品もそこはおさえつつ、子どもの能天気パワーで痛快コメディーにまで昇華させようとしたところは良かったと思います、いろいろウケましたし。
でも 能天気パワーな子ども=ピュアな人間かというとちょっとちがう気がしました。
てなわけで、ホントの子ども vs いつまでも子どもの腕力対決、そしてどちらも力を使いこなしきれないところでタイムアップ → 最後は魔術で決着☆てな感じですかね、おつかれさまでした。
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どうでもいいけど主人公の家出少年、「東×王」に出演する東×生のひとりみたいな顔に見えまして(ケナしてないです)。
あ、あと長女はデビー・ギブソン思い出しちゃいました・って自分年寄り露呈・