「ニコル・キッドマンが救い」アクアマン 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
ニコル・キッドマンが救い
「アリータ」を観た次の日に鑑賞。「アリータ」は最終戦争の後の未来が舞台だが、こちらは現代である。海底の帝国が出てくるところはエジプトもの、ファラオものみたいでもある。伝説の武器が出てくるところは「マイティ・ソー」に似ている。ビデオゲームの「バイオハザード」では最後にロケットランチャーを入手してぶっぱなして終わる。本作品も大体似たようなものだ。
水中のシーンはそれなりの迫力で楽しめたが、2Dで観たのであまりスピード感は味わえずに終わった。しかし海中生物がワンサカ出てくるところはなにがなんだかよくわからず、3Dで観たら暗くなる分さらにわかりにくいだろう。
登場人物に人生観も哲学もないから、文学的な深みには欠けるが、そもそもこの手の映画に深みを求めてはいけない。プラグマティックなご都合主義に満ちた脚本でも、音と映像でなんとか楽しめるということである。
御歳51歳のニコル・キッドマンが年齢不詳の女王の役で奮闘しているのが唯一の救いで、その演技になまめかしい「女」を感じて、少しホッとした。
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