「海と人間に愛された男」アクアマン 財団DXさんの映画レビュー(感想・評価)
海と人間に愛された男
今まではやたら暗くてシリアスな作風から敬遠してきたDC映画だが、『アクアマン』は『ワンダーウーマン』に続く快作となった!ジェームズ・ワンお見事!!
冒頭から俺たちのモモア兄貴の上裸アクション全開!!剣でも銃でも御構い無しで海賊どもをなぎ倒す。ブラックマンタの親子ドラマはもったいぶって描かれていたが、自業自得には変わりないのでモモア兄貴にも一蹴される。流石のアクアマンもドライになる。
親父と仲良く酒を酌み交わし、絡んできたタフガイとも仲良く自撮り。およそスーパーヒーロー映画で主役を張るとは思えない風貌のモモア兄貴だが、だからこそ今までにない新鮮さと安心感を与えてくれる。名案とばかりにピノキオ作戦をするキュートなモモアに惚れない人間がいるだろうか。筆者も兄貴と砂漠を旅したいものだ!“武闘派アリエル”ともいえるメラも素晴らしい。強く美しい内助の功、モモア兄貴を支えるには彼女でないとダメだろう。
そして今作の白眉はアトランティス王国を含む海底の描写だろう。『バーフバリ』のマヒシュマティ王国、『ブラックパンサー』のワカンダに続く「一度は行ってみたい映画の中の国」の一つとなった。自由闊達なカメラワークとアクションも観客を熱くさせる。ザック・スナイダー特有の質量の伴わないアクションは苦手なため、「やっぱりアクションにはこれくらいの躍動感がないとな!」と唸らせてくれた。バルコ直伝の槍さばきが炸裂した時はもう最高だった!!
もちろん、アクアマンのアイデンティティの描写も抜かりがなかった。最初は自身の出自に悩みながらも、陸と海の架け橋となり国だけではなくすべてを守る英雄となる。桟橋での両親の再会シーンでは目頭が熱くなった…。
魚からも人間からも愛されるアクアマン!是非、そのオリジンを見届けてほしい!!