「いまや"バットマン"より"アクアマン"。」アクアマン Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
いまや"バットマン"より"アクアマン"。
ワーナー映画の「DCエクステンデッド・ユニバース」(ジャスティス・リーグ)の第6弾である。その名の通り、アメコミのDCコミックスのヒーローをクロスオーバーしていくシリーズだ。
折しも、"バットマン(ブルース・ウェイン)"役のベン・アフレックが降板することが伝えられたが、そんなことはお構い無し。これまでもマイケル・キートンやヴァル・キルマー、ジョージ・クルーニー、クリスチャン・ベール・・・とバトンタッチしてきて、"次は誰?"というだけである。
むしろ、いまや"バットマン"より"アクアマン"になってしまった。ほんとよくできている!!
すでに世界興行収入でクリストファー・ノーランの「ダークナイト ライジング」(2012)を超えた、と聞いて"そんなに!"とビックリ。 (※ 「アクアマン」11.078億ドル=約1,215億円。「ダークナイト ライジング」10.849億ドル=約1,190億円。)
なんといっても、主演のジェイソン・モモアの存在感が特別である。もちろん「ゲーム・オブ・スローンズ」での人気も背景にあるが、モモアはハワイの先住民族、ポリネシアンの血をひく。原作のアクアマンは白人でも、モモアのほうが、本来のアクアマンの設定に合っているように感じる。
当初は、 「マーベル・シネマティック・ユニバース」(アベンジャーズ)をなぞるように展開されているだけのように思っていた。設定が"神話"で、"王位をめぐる兄弟喧嘩"といえば、「マイティ・ソー」である。
しかし「ワイルド・スピード SKY MISSION」のジェームズ・ワン監督が、まさにスピード感覚を注入してくれた。海の中なのに、"速い!"。出てくる潜水艇のカッコよさは宇宙船のよう。2つの軍団が対峙して戦う様子は、上下左右への移動の自由度も含めて、まるで宇宙戦争と同じなのである。
シリーズとは関係なく、単独映画として十分楽しい。
ジョニー・デップの元妻アンバー・ハードが、アクアマンの恋人メラ役で久しぶりの、メジャー作品出演となる。25、26歳の頃は恐るべき美しさだったが、赤い髪のせいか、また180cmのニコール・キッドマンが横に立つと51歳の女優に押されてしまう。これはニコールのオーラだろう。
さて「DCエクステンデッド・ユニバース」の次作は、「シャザム」(4月19日公開)となる。お子様ヒーローの登場だ。
また同時期にアベンジャーズ前に「キャプテン・マーベル」(3月15日)が公開される。こんどはマーベル側が、"ワンダーウーマン"を意識した、女性ヒーローを誕生させる。
原作ではもともと同じ名前(シャザム=キャプテン・マーベル)だったりして、権利関係で因縁はあるが、ストーリーは無関係。あまり深入りできない人には、もう訳が分からなくなっているでしょ。
(2019/2/9/ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ/翻訳吹替:アンゼたかし)