「チョイワル漢は海と陸、DCユニバースの架け橋となる真の王、真のヒーロー」アクアマン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
チョイワル漢は海と陸、DCユニバースの架け橋となる真の王、真のヒーロー
『ワンダーウーマン』同様、DCフィルム・ユニバースは単体作品こそ!…と思わせる。
『ジャスティス・リーグ』で初登場。
海の王者で、異端のヒーロー。
アクアマン!
どうしてもDCユニバースはワンダーウーマンがご贔屓なのだが、決して…いや、全く劣らぬ。
面白かった!
何と言っても、アクアマンのキャラがいい。
『ジャスティス・リーグ』の時は単なる初御目見え程度だったが、今回はキャラ像や魅力がたっぷりと。
見た目はムキムキマッチョ。
長髪で髭面で強面ワイルド系。
とてもとてもヒーローには見えない。(ついでに、正統なる王家の後継者にも)
しかし、ハートは熱く、気が良く、性格は大海のようにおおらか。
ジョークもお酒も大好き。
親しみ易いチョイワルあんちゃんといった感じ。
それでいて、海で事件や事故が起きると颯爽と駆け付ける。
THE漢!
男なら誰もが憧れるだろう。
それもこれも全て、演じたジェイソン・モモアに尽きる。
ハワイで産まれ、アイオワで育ち、ハワイ先住民やドイツ系の血も引くというジェイソン。
異なる文化同士の出会いによって産まれ、それがアクアマンとリンク。
原作とはルックスが違うらしいが、そのカッコ良さと魅力はハマり役!
これまで『コナン・ザ・バーバリアン』でくらいしか知らなかったが、一気に大ブレイク&スターダムを駆け上がるだろう。
冒頭はアクアマンの両親である海底王国アトランティスの女王の母と人間の父の運命的な出会い。
アクアマンことアーサーの幼少期。
てっきりアクアマンの誕生がじっくりと語られるのかと思いきや、話のメインは『ジャスティス・リーグ』後。
かと言って『ジャスティス・リーグ』を見てないと話についていけない事は全く無く、本作からでも難なく見れる。
アクアマンの異父弟でアトランティスの現王であるオームが、他の海底王国と連合し、地上侵攻を企てる。
最初は拒みながらも、その野望を阻止すべく立ち上がるアクアマン。
海と陸、2つの世界を救えるのか…?
真の王となれるのか…?
話は至ってシンプル。
選ばれし者、その使命は、ヒーロー活劇/神話・伝説物語の王道。
ドラマ部分も思ってた以上に良かった。
海底人と地上人の混血であるアクアマン。
父とはまるで親友のように酒を飲み交わすほど仲が良い。
が、海底王国の掟を破り、自分を産んだせいで母は処刑された。その苦悩。
父は今も母を想っている。
憎しみぶつける異父弟との確執、避けられぬ闘い。
海底にあるのは、実はある家族のドラマなのである。
ついでに、序盤の海賊親子も意外に感情移入させられた。
ああいうシーンを描く事によって、敵の描写にも深みをもたらす事が出来る。
中盤、○○○○○○○と名乗って登場。調べてみたらやはり、人気のヴィラン。
今回は少しの登場だったが、これは次へ繋がる伏線。(早くも続編が楽しみ!)
さてさて、そして、圧巻で圧倒的なスケールとビジュアルとアクション!
宇宙の未知の世界もいいが、海の未知の世界だって!
海底に広がる見た事の無い世界は、美しく、幻想的で、イマジネーション豊か!
まるで『海底二万哩』や『ドラえもん』(『海底鬼岩城』)を見た時のワクワク!
超高度文明のメカニック、海に住む動物たちや様々なクリーチャー。
個人的にツボは、クライマックスに登場する超巨大海獣! 我ら怪獣ファンには堪らない!
アクアマンvsオームの肉弾戦、シチリア島での住宅密集地で繰り広げられるバトルもさることながら、アクション最大の見せ場は、クライマックス、海底で各王国とクリーチャーが入り乱れる大スケール合戦!
“海の『スター・ウォーズ』”と例えられてるようだが、個人的にはドラマ面も含め“海の『ロード・オブ・オブ・リング』”のように思えた。
チョイワル主人公と気の強いヒロイン。
芽生えるロマンスは勿論、二人の掛け合いが楽しい。
ユーモアもふんだんに。
陽光眩い風景や陽気な音楽も。
これ、本当にDCユニバース!?…と思うくらい。
と言うか、もう辛気臭いDCユニバースとは言わせない!
キャスト陣ではやはり、アンバー・ハード。
別の海底王国の王女で、単なるお飾りお姫様ではなく、誇り高く、美しく、闘うヒロイン。
アクアマンの母である女王にニコール・キッドマン、アンバーの父王にドルフ・ラングレンらベテランが揃う中、アクアマンの王家に代々仕える重臣ウィレム・デフォーが好助演。
また、あるクリーチャーの声を、超意外な大女優が担当。誰かは劇中の声かエンドクレジットで確認を!
2時間半近く、さすがにちと長さは感じるものの、飽きさせはしない。
たっぷりのエンタメ性、面白味、見せ場、エキサイティングを詰め込み。
ジェームズ・ワンはもはや“ホラー・マスター”ではなく、“エンタメ・マスター”だ。
『ワンダーウーマン』で覚醒し、『ジャスティス・リーグ』も(個人的には)上々、そしてこの『アクアマン』で完全に決定打に!
しかし、DCユニバースに暗雲が。
スーパーマンことヘンリー・カヴィルの降板の噂、バットマンことベン・アフレックは降板確定、『ジャスティス・リーグ PART2』の製作は延期になり、他のDCユニバース作品の進展も…。
が、アクアマンは劇中さながら、それら難問を吹き飛ばし、DCユニバース作品を繋ぐ架け橋になってくれるだろう。
だって我々は、こんな真の王を、ヒーローを、待っていた!
あ、ホントだ‼️
近大さんもロード・オブ・ザ・リングの匂い、感じ取ってたのですね。
なんかとても嬉しくなります。
早速のコメントと共感、ありがとうございます。