「ラストが印象的なだけに残念」さざなみ jollyjokerさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストが印象的なだけに残念
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編集が良くない。シーンのつなぎに「余韻」がないため、すべての「艶」が台無しになっている。長年連れ添った妻の嫉妬、いらだち、建前、諦めを描くも、それらが十分に生かされていない。なぜこのカット?というものもあり、ラストのランプリングが特に良いだけに残念。
ケイト(ランプリング)は子供を持たなかった/持てなかったが、スライドの中の夫の亡くなった恋人は妊娠しており、そのことでケイトは完全な敗北を感じている。年月は事実を越えられないのだ。
一度は過去にとらわれたジェフ(トム・コートネイ)が結婚祝いのスピーチで心機一転を図ったのと対照的に、ラストシーンでケイトは夫に背を向けるかのように、敗北と決別を宣言したかのように見える。男性と女性の、愛する対象への向き合い方の違いだと感じた。
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