「亡くなった父親の姿に重なる息子の生き方を描いた作品」海よりもまだ深く 美紅さんの映画レビュー(感想・評価)
亡くなった父親の姿に重なる息子の生き方を描いた作品
阿部寛演じる良多が、作家で一度だけ賞を
受けたものの、小説を書くだけでは生活していけず、探偵事務所で働いてる大器晩成?
な大人の人生が取り巻くストーリーでした。
団地に住む日常的な生活に親近感がありました。樹木希林さん演じる母親にいつまでも
息子を愛する心の豊かさを感じました。
良多がダメ親に見えても、息子の 慎吾の健やかな成長を願う気持ちと
別れた元妻の響子に未練があるように見えました。
月に一度、息子の慎吾に会うのを楽しみにしてモスバーガーを食べている場面、
養育費が滞る現実的な場面
探偵事務所で働いて不正に男子高校生から
お金をもらったときに
あんたみたいな大人にはなりたくない!
そんな言葉を言われたらショックだと思いました。
子どもの頃に描いた夢を叶えることは
出来なかったけど、現実離れした世界ではない日常的な生活感がありました。
台風の日に団地で良多と元妻の響子、
息子の慎吾と過ごした夜は忘れられない
思い出の1日となった事と思いました。
質屋で売りに来た亡き父親と、父親が亡くなった後に来た良多は、生前、自分を思ってくれていたことに気が付く良きエピソードでした。
宝くじで夢を買うと良多は言っていたけど
団地のベランダに濡れた宝くじが干してある
場面が、夢を追い続ける自分が
今も此処にいると語るようなシーンでした。
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