「ドイツ映画の成熟。」帰ってきたヒトラー mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
ドイツ映画の成熟。
あのヒトラーが2014年にタイムスリップしてきたら。
このワンプロットで全編を押し通す。
リストラされかけたTVマンが彼を見つける。ヒトラーにそっくりなものまね芸人としてトーク番組に出演し、人気を博すようになる。
デビッド・ベンド監督は、ストーリーを淀みなく語ることに専念する一方で、こちらをドキュメンタリーを見ている気分にさせてくれる。
ヒトラー(オリバー・マスッチ)の言葉にそれなりの説得力があるのがなんともいえないが、微妙なところへ踏み込んでいく映画作りには、うらやましささえ感じる。
ドイツがかかえる様々な問題も浮き上がってくる構成は、一筋縄ではいかない映画になっている。
ああ、おもしろかった、ではすまさない何物かをはらんでいる映画であった。
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