好きにならずにいられないのレビュー・感想・評価
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フーシの精神性に感動
童貞で中年の大男が憐れにも恋に落ちる話だ。この男が見掛けに似合わず素直で寛容で優しくて純情で一途なものだから、それだけでも泣けてくる。
ジオラマやラジコンが好きで子供も好き、しかもきれい好きでマメな性格なのに、持って生まれた内気な性格が災いして、中年になるまで女性に縁のない生活を送ってきた。母親の愛人からチケットをもらったダンススクールのレッスンで女性と出逢う。その女性がまともならいいのだが、映画は一筋縄でいかない展開になっている。
女性はプライドが高くて我儘でズボラで、おまけに躁鬱病だ。ほとんどサイコパスみたいなこの女性に振り回されるだけ振り回されながら、主人公フーシは決して怒らず、どこまでも優しく接し、限りなく与えていく。
ほとんど何もいいことがないフーシだが、気にせずに静かに淡々と生きていく。そして人に優しくしつづける。このような奇跡の精神性が禿げて太ってオタクの中年男に宿っているという設定が素晴らしい。
邦題は映画の内容とまったくイメージが異なっており、こんな邦題をつけるくらいならカタカナで「フーシ」というタイトルにしておけばよかった。この傑作映画の日本での興行成績が芳しくなかったとしたら、それは邦題によるところが大きい。
淡々とした日常
デブは摂生が出来ないからデブのままで、だから、デブは嫌われる。
だけど、他者や社会に迷惑をかけてなければ、摂生するもしないも本人の自由。マイペースで生きればいい…。
本当、マイペースな作品だった。
淡々とデブの話が続くし、美人と言うよりもオバさんとの恋愛はオバさんの病気が怖かった…。
実際、あの病気はそう言うものらしいですね。
それに戸惑いつつ、自分を犠牲にしてまで、優しく包み込もうとする主人公はデブだけど良い奴です!。
フーシ、君には幸せになってほしい
なんだろう、この気分。映画なのに。
とにかくひたすら誰にでも優しい主人公のフーシ。
誤解されても、馬鹿にされても、一切言い訳しないフーシ。
僕は君のようにはとてもできない。コッポラが言っているように、君のような人間がたくさんいたら、世界は本当に幸せになれる。
だけど世界の前に、君がもしどこかにいるのなら、君にこそ幸せになってほしいよフーシ。
見終わった後、心からそう思えて人に優しくなれる映画です。
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