好きにならずにいられないのレビュー・感想・評価
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超一途な大柄男の恋路
屈折しないフーシ
毒親からの巣立ち
映画を見ているとフーシーはシングルマザーの家庭で育ったことがわかる。序盤でフーシーに対していろいろ講釈たれる白髪の男は、実は母親のボーイフレンドであり、しかもその男と白昼堂々、おまけに息子の目の前で情事に及ぶなど母親もまともではない人とわかる。そんな母親は43の自分の息子にようやく出来たガールフレンドをヘボ女と罵ったり、息子が別居すると言ったら放心状態になったりと、いかに息子を拘束してきたのかが描かれている。
そうしたことの弊害が他の人と築く関係性にどう作用するかこの映画では上手く表現されているなと感じた。最後の場面でフーシーは一人で飛行機で飛び立つのだが、前述の文脈と映画を照らし合わせてみると、それはまさにフーシーにとって巣立ちの瞬間なのだと感じた。
【”外見と個人的嗜好により”孤独で不器用だが、心優しき大男の少し物悲しき恋物語】
<原題:フーシ そっけないなあ・・>
■今作の魅力、幾つか
・主人公、フーシが巨漢の太っちょで、髪の毛は寂しく、趣味が”有名な戦いを再現するジオラマ作り”という設定。しかもフーシは殆ど笑わない。
(中々無いね、こういう設定。個人的に好きである。)
・そんなフーシと仲が良いのは、隣の小さな女の子(成程)。けれど、両親は心配そう・・。
そんなフーシを同居している母が心配して(40歳を超えて、親と同居かあ・・)、与えたダンスレッスン券。
ダンスはしなかったけれど、出会った女性シェブン。
・この、シェブンとのギコチナイ遣り取りの中で、上手くフーシの優しさが描かれている。ハードロックが好きなのに、シェブンの好みを聞いてリクエストした曲。流れる曲を車内で聞く二人。(それにしても、フーシがローカル局のDJと仲が良くてリクエスト曲が直ぐ流れるのねえ・・。でも、違和感なし。)
・シェブンが決して、”凄い美人”ではないところ。(すいません、演じた女優さん・・。)
・シェブンが体調を崩し、窓を割って(おい!)部屋に入り、語りかけるフーシ。(ココラヘンでシェブンの”気質って”もしかして・・と思う。)シェブンの代わりに、空港荷物配送業務を”有給”を取って休み、”花屋”ではなく町の”清掃人”として、働くフーシ。
ー 人が良いというか、優しすぎるというか・・。あと、”仕方ないなあ”と言って有給を認める上司も良い。(というか、流石北欧。労働基準法、しっかりしてます。) -
<ラストを”哀しい結末”と観る人もいるかもしれないが、私は、”初めて自分の意思で見知らぬ国に旅立つ”フーシの姿を、彼は”未来へ新しい一歩踏み出したのだ” と思いました。>
■北欧のアイスランドが舞台のため、吹雪のシーンが多く、流れる曲調も短調系が多かったので、決して”ハッピー”感溢れる映画ではないが、じんわりと沁みて来る作品である。
女性に魅力が感じられなかったな
原題「Fusi」(フーシ)を「好きにならずにいられない」って邦題にしたのはギリギリ詐欺にならないレベル。そのくらいタイトルと印象の違う地味なアイスランド映画。(配給会社が搾り出した感ある)
主人公のピュアさを讃えるレビューが多いようだが、モテない人生を送ってきた人間ならわかる「純粋さ」で勝負するほかない、ってことを。なのでフーシの行動はまったくもって理解はできるが褒める感じではなかった。
後半ようやく話が動いたと思ったら終わってしまう。正直、面白さも楽しさもなく、切ないという感じでもなかった。
アイスランドの奇妙な映画を観たなぁ、というレベルの作品でした。
ラストがイイ!
切ない気持ちが胸いっぱいに残る作品。 ジャケットだけ見てコメディラ...
切ない気持ちが胸いっぱいに残る作品。
ジャケットだけ見てコメディラブストーリーかなと思いきや、切なさいっぱいの物語でした。
振り回される側からすると、身も心も持っていかれるけど、自分が変われるチャンスにもなったのかな。
どんな仕打ちを受けても、「気にするな」って言えるフーシは、大人だなって思いました。
無邪気なフーシに幸あれ
この結末をどう見るか
彼の何がいけないんだ!
男の矜持
飛行機マニアにもたまらん映画です(笑)
ポツンと島国ゆえ、ハリウッドともヨーロッパとも違う感情表現を持っているのかしら。ふと思う。
階下の父子家庭の父がビョークそっくりでビックリ…。
毎週金曜日にひとりでタイ飯パッタイとジオラマにシリアル+牛乳だけの生活から脱却。
ハリウッド映画みたいにハッピーエンドの形にはならなかったけど、フーシの世界は恋によって広がったね。エジプトでさらに彼なりの成長があるに違いない。
きっかけを作ってくれた母親と別れたカレシに感謝だ。
しかし、どの国でもイジメはあるもんだね。イジメた同僚はイケスカンけど、クリーンセンターの外国人労働者たちはいい奴ばかりだ(ドゥシャン?と聞こえたからセルビア人か、スラブ系の人たち?かな)あとタイ飯やのタイ人らしきオーナーとか。
フーシという男の話。
誰も成長しない話
ポスターを観た時はコメディー映画なのかな〜と思ったのだけど
ああ、何と悲しい映画だろうか〜。
途中まではとても良かった!
始めて女性と接する童貞男のためらいや淡い期待が
画面の中に溢れてて、ワクワクし、思わずフーシ、頑張れ!
と呟きそうになった。
大男で、見た目は全く冴えないけど
大事にしている戦争ゴッコのおもちゃが
丁寧にパッキングしてある様子や
同僚の車のエンジン音だけで調子を聞き分けるなど
本当はとてもとても繊細な男である事が解る。
料理だって上手いし、大工仕事も起用にこなす。
なんでも出来る男なのに
優しくする事しか出来ない彼は最後まで優しさしか見せない。
自分の立場が悪くなっても言い訳も出来ない〜〜
そのせいで、犯罪者扱いされてしまう。
優しさ故にストーカーまがいの事をやらかす辺りから
ヤバイんじゃね?と言う空気が漂う。
優しい事は大事なのだけどもう一歩進んで、
優しいからこそ、時には強くなって
何かを動かせなければ、優しさの意味が無い。
ヒロインが途中から何も努力しなくなるので
全く魅力が無くなって、単なるぶち切れ女に成り下がる。
そこも、入り込めない所なんだけど
この映画の様な、男は黙って〜〜みたいな終り方が
カッコ良いと思ってる事自体が男性目線の映画なんだよな〜〜
女にとっては、優しいだけの男では、ダメなんだよ…
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