「クッションシールドのような愛」好きにならずにいられない garuさんの映画レビュー(感想・評価)
クッションシールドのような愛
愛情とは、全身を包む柔らかいクッションシールドに例えることができる。
近くにいる人間を傷つけることなく守り、 自分自身も守るからだ。
時には、その柔らかさに甘えるために、人が近づいてくることもある。
しかし、クッションシールドのような愛情を持つ者は少ない。
なぜなら、その愛情は、作るのも保持するのも難しいからだ。
我欲が邪魔し、愛情はすぐに冷たい欲望の薄皮になってしまうのだ。
主人公を取り巻く人たちも、 うまく愛情を持てない俗物ばかり。 見た目の冴えない主人公に同情や蔑みを投げかけるが、 実際は、 彼の愛情にもたれかかって甘えているに過ぎない。
主人公のふくよかで立派な体格は、彼の愛情の柔らかさを象徴している。 なんでも作ったり直したりできる器用さは、 彼の愛情を生み出し続ける能力を暗示している
クッションシールドのような愛があれば、温かく生きていけるのだ。
そんな生き方の見本を見せてくれる、良質な一本である。
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