「好きにはなれなかったかも。」好きにならずにいられない でぐでぐさんの映画レビュー(感想・評価)
好きにはなれなかったかも。
宣伝ポスターが可愛い感じだったので、コメディを予想して前情報一切無しで鑑賞しました。
中身を開けてみれば、なんともこれまでに無いくらい可哀想な主人公、、。見た目で誤解されて、人に反論することができない小心者。ただし、味方がいない訳では無いんです。微力なだけで。
主人公のフーシは恋をしますが、このヒロインがなんとも微妙。ヒロインは心優しいフーシによって癒されていきますが、側からみるとヒロインがフーシをブンブン振り回しているようにしか見えません。
フーシ〜!かわいそ〜!って思える内はいいんですが、なんてったって言い返せない男ですから、「そこ!違うって言わないとダメだよフーシ!」「嫌って言わないと誤解されるよ!!」って言っても画面越しのフーシには届かず。嫌なことをされても受け入れたままor反発した時にはやりすぎて軽い事故になります。
皆さん他のレビューをみると「フーシが優しすぎる可愛すぎる」との感想が多い様に思います。しかし、考えてみてください。ダンス教室で出会って数回の男性が家の前に来て2人きりで旅行に誘ったり、職場まできたり、勝手に家に住みはじめたり、自分の代わりに業務をこなしていたり、自分のためにと言って空き店舗をリフォームして渡したり、、。
優しいんです。優しいんですが、ちょっとキモいかな。
うん、イケメンだとしても大したデートしてないのに海外旅行は無いわ〜。憧れの花屋さんも自分のデザインにしたかったかもしれないし。
どうせリフォームするなら、2人で笑いながらお店を作った方が夢があって素敵だなと。ありきたりですがそう思いました。女性の考えでも日本人的な感覚なのかもしれませんが、優しすぎるというかやりすぎです。
1人の女性のためにそこまでできる人はなかなかいません。だからこそ良いのかも知れませんが、そこまでしなくてもいいんじゃないかな〜。
莫大な優しさを押し売りされても困っちゃう人もいるんですよ。もしかしたらヒロインも鬱病だったので、優しさが逆に申し訳なくて辛かったのかも、、
この映画は寒くて暗い冬の景色が、フーシに対する周囲の対応と相まってより一層冷たく仕上がっています。
人によっては、この作品の優しさに注目する方もいらっしゃったようですが、私には辛さが際立つ演出に目が行ってしまい、「本気で心が病んでるときは見ない方がいいな。」と思いました。
映画が終わりに近づくにつれ、残りの時間でどうやって終わらせるの気になっていましたが、ハッピーエンドにも成らず、、プッツリエンドでしたね。
まさかここで切るとは思いませんでした。エジプトでいい出会いがあるといいね〜フーシ!(応援)