「予定調和でも、切なくて温かい。健気な主人公が開いた心の扉。」一週間フレンズ。 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
予定調和でも、切なくて温かい。健気な主人公が開いた心の扉。
【賛否両論チェック】
賛:他人に心を固く閉ざしていたヒロインが、健気に彼女と向き合い続ける主人公の温かさに触れ、少しずつ心を開いていく様に感動。その先に待ち受ける切ない真実の中で、彼らが選ぶラストもまた印象深い。
否:展開は結構ご都合主義で、なおかつありきたりか。予定調和感は否めない。
辛い過去が引き金となり、友達との記憶が1週間しか持たなくなったヒロイン・香織。そのせいで周りを傷つけるのを恐れるあまりに、他人を遠ざけ、そのためにさらに孤独になるという、いわば負のスパイラルから抜け出せずにいた彼女に、手を差しのべた主人公・祐樹。拒まれても拒まれても諦めずに向き合い続ける主人公の温かい心に、青春ならではの甘酸っぱくも真っ直ぐな感情が伝わってきます。
「空気は〝読む”よりも〝作る”方が、よっぽどイイ。」
という担任の言葉が、身に染みるようです。
そしてやがて、香織の心がようやく開かれていった先に待つ、彼女の本当の気持ちもまた、なんとも言えない切なさが漂います。そんな香織や祐樹を見守る仲間達の優しさにも支えられながら、彼らが辿り着く結末には、予定調和ながらもやはり感動してしまいます。
やや出来過ぎ感はありますが、気になるラブシーンもありませんので、デートムービーとしては是非オススメです。
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